恐ろしい「終身払込」のワナ
テレビのコマーシャルなどで、有名な俳優などを使って盛んに宣伝している保険や、新聞やチラシで宣伝している保険の中に、〇〇歳でこれだけの保険料、しかも一生変わりませんとうたっているものがある。
あなたはこれを見て、頭の中で、「保険料って年齢とともに上がるものなのに、一生上がらないのか。良いな」と、自分流に都合のいいように解釈してしまっていませんか。
ちょっと待っていただきたい。
多様な保険料の「支払い方」
保険料の支払い方として、たとえば「払込期間10年」という保険には、[保険料を払っている10年間だけ保障してやるよ]という保険と、[保障は終身(一生涯)だが保険料の支払いは10年間だよ]という保険の、2つがある。
一生涯の保障のある保険でも、保険料の払い方には、
とあって、最後に、
というのがある。
[終身払込]というのは、つまり加入した年齢時の保険料を、死ぬまで一生涯払い続けなさい、という保険である。「解約返戻金」のない掛け捨ての保険にあっては、保険料を2か月分(月払いの場合)滞納すると、失効してしまう危険性を持っている保険である。
[終身払い]は加入から死ぬまでの長期間にわたって支払う払い方なので、1か月ごとの保険料はたくさんある払い方の中で、1番安い。
保険料が安い、という今の時点のメリットだけとらえて「終身払込」で加入すると、加入してからいつの時点で他の保険と比べても自分の保険料の方が安く、ぬるま湯から抜け出せない。結局死ぬまでぬるま湯につかっていて、合計でどれだけ多くの保険料を払うことになるのかさえも、気が付かないのだ。
283万円の差額…恐ろしい「終身払込」の具体例
「そんなバカな……」と思う人のために、計算をお見せしよう。
今、35歳の男性が、死亡保障1,000万円の保険に、「65歳まで支払って」一生涯保障される「終身保険」と、同じく35歳の男性が同じ1,000万円で「終身払込」の「終身保険」に入った場合とで、それぞれ支払う保険料の比較をしたものが、以下の[図表2]だ。
結果として「終身払込」だと、スタートの保険料は毎月5,000円前後安いけれども、合計の保険料では283万円以上も余計に支払うことになる。
それよりもっと大切なのは、「65歳払済」の方は定年とともに保険料支払いも終わってしまって肩の荷が下りるが、「終身払込」の方は年金生活になっても死ぬまで払い続けなければならないという、ハンデを背負わされていることだ。
つまり、年金生活の中に「保険料支払い」が食い込んでくる。
保険屋さんから渡された保険の設計書に、たとえ一部分でも「終身払込」の保険があったら、割り切って考え、そんな提案をする保険会社とはお付き合いしない方が、賢明なのです。
でも、加入してから早く死ぬ予定だったら、どんな保険でも、保険料が一番安い「終身払込」が一番お得ですよ。
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