※画像はイメージです/PIXTA

昨今、日本では未婚率が上昇し、生涯独身というケースも珍しいことではなくなってきました。しかし、相続・事業承継専門の税理士法人ブライト相続の戸﨑貴之税理士は、「おひとりさま」でも相続トラブルに発展するケースも見られるといいます。みていきましょう。

「おひとりさま相続」に向けて注意すべきことは?

相続人不存在の場合、相続の面を考慮するとやはり遺言が必須となります。遺言だけでなく、おひとりさまならではの注意点がありますので、しっかりとポイントを押さえておきましょう。

 

1.認知症問題

認知症になってしまった場合、後見人が付きます。おひとりさまの場合、必ずしも直接関係のある方が後見人になるわけではありません。ご自身でお願いしたい懇意の方がいる場合には代わりにしてもらいたいことを契約で決めておける任意後見制度を活用しておきましょう。

 

2.孤独死問題

高齢になり足腰が弱くなり怪我をしてしまったり、病気で生活がままならなく身寄りがない場合には、財産管理委任契約を活用しましょう。

 

こちらは、心身の状態が思わしくない時に、本人に代わって友人や弁護士等に財産の管理や病院、福祉サービスなどのお手続きを行ってもらう契約となります。

 

成年後見制度とは異なり、判断能力の低下を前提とした契約ではありません。

 

3.お墓問題

相続人不存在の場合、特別縁故者へ財産分与されるのは非常にお手続きが大変ですので遺言は必須です。

 

通常の遺言の記載内容と異なり、財産だけでなく、葬儀やお墓についても遺言に記載しておくことが望ましいです。

 

おひとりさまの場合には、『財産を受け取る縁故者、遺言執行者、祭祀主宰者』の3点は必ず記載しておきましょう。

おひとりさま相続…少なくとも自筆証書遺言の作成を

ただでさえ複雑で負担になる相続手続きですが、「おひとりさま」の場合には、考えなくてはいけない点が非常に多く、対策を行っていない場合には当事者も関係者も大変なことになってしまいます。

 

紹介した生前の準備をすべて行っていただくことは難しいかもしれませんが、少なくとも自筆証書遺言を作成することは行っていただいたほうがよろしいのではないでしょうか。

 

なお、「相続人不存在」で遺言がなく、特別縁故者として相続財産の分与を受けることになった場合には、基礎控除額3,000万円を超過してしまうと相続税の申告義務が生じます。

 

このケースでは財産の分与があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に申告書を提出する必要があります。手続きが大変で申告を忘れて税務署から指摘されることがないように注意をしましょう。

 

 

税理士法人ブライト相続
戸﨑 貴之

 

 

 

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