
人材の流動化が加速するなか、企業の離職率は年々上昇傾向にあります。特に若者の離職率は高く、厚生労働省の調査では、新規学卒者の離職率は3割を超えるとされています。離職率を下げるために考えたいのは従業員満足度。その向上のために、オフィス環境の改善はひとつの手です。いま従業員が求めるオフィスとは? みていきましょう。
顧客ではなく従業員の満足度を考える
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なかなか社員が定着しない……。
そう悩む企業は多いもの。そこで注目したいのが従業員満足度です。その名の通り、従業員の職場での満足度を表した指標であり、Employee Satisfaction、通称ESと呼ばれています。
そもそも従業員満足度の概念は、1930年代、米国の管理学者ロバート・ホポックが著書『Job Satisfaction』で提唱したともの。従業員満足度が向上すれば、「生産性の向上」「顧客満足度の向上」「離職率の低下」「採用力のアップ」などのメリットが得られるとしています。
2015年と、少々古い調査ではありますが、厚生労働省の調査によると、従業員満足度を顧客満足度と同じく重視する企業は、顧客満足度のみを重視する企業より売上高や営業利益率が増加傾向にある割合が高くなり、人材確保の状況についても、従業員満足度が高い企業のほうが、質においても数においても確保しやすい傾向にあることがわかりました。
現在、日本の労働生産年齢人口は減少傾向にあり、着実に若い働き手は減ってきています。一方で人材の流動化は加速度的に広がり、人材は定着しづらい環境になりつつあります。そのようななか、いかに従業員満足度を向上させて、「この会社で働き続けたい」と思ってもらうかが重要な経営課題となっているのです。
従業員満足に影響を与える主な要素としては、①企業文化・企業理念 ②仕事内容 ③評価・処遇 ④人間関係・職場環境の4つが挙げられます。
企業文化・企業理念に関してはいえば、「企業はどのようなビジョンをもって経営しているか」、その共感が深いほど、満足度にはプラスに働きます。
仕事内容については、自身の仕事が人や社会にどれほど役にやっているのか。職務や自身の成長などが充実感を高め、満足度向上につながります。
評価・処遇については、透明性のある人事評価などはプラスに働きますが、不透明であったり不公平であったりすれば、マイナスの影響を与え、退職の理由にもなりかねません。
そして人間関係・職場環境。どんなに高い報酬をもらっていようとも、上司や同僚との人間関係に問題があったり、会社の雰囲気が悪かったりすると、従業員満足度は低下します。「意見が言いやすい」など、風通しのいい風土であれば、従業員満足度は高くなる傾向にあります。
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