(※画像はイメージです/PIXTA)

受験勉強で日々を過ごすだけでなく、あこがれの高校生活を思い描けるような体験をすることも、受験生にとっては重要です。本人が本気になることこそが合格への近道。そのきっかけとなるのが、部活の体験会や文化祭などの行事かもしれません。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で解説します。

文化祭は高校の雰囲気を知るいい機会

③『文化祭』 (※コロナ禍、一般開放・見学不可の高校が多いです)

高校の文化祭は、友達同士で行く生徒が多いようです。受験に直結するものではありませんが、学校や在校生の雰囲気、行事に対する姿勢などを知ることができます。また、第一志望などの場合は、子ども自身が楽しい高校生活を想像でき、「この学校に入りたい!」と前向きになるメリットもあります。

 

自分の経験からもいえることですが、高校の文化祭は楽しかった思い出のひとつです。文化祭は、中学生からすると、憧れの気持ちが根強くあるのかもしれません。息子の通う国立高校の文化祭はとても有名で、日本一の文化祭とも称されています。約1年かけて準備をするその文化祭にあこがれて、進学を希望する中学生は多いようです。例年、1万人が訪れる人気の文化祭も、2021年はコロナ禍の影響で内々の催しになりました。

 

ベネッセ教育総合研究所の高校受験調査によると、第一志望だった高校に合格し通っている高校生の半数が、「高校の文化祭や体育祭などの行事を志望のきっかけにした」と答えています。

 

実際に、学校に足を運んで、在校生の様子を見ることによって、自分の高校生活をよりイメージできるのは間違いありません。保護者目線ではありませんが、子ども目線では感じることが多く、志望校であればなおさら、受験勉強にやる気が出る効果も期待できます。

 

受験生にとって文化祭は、高校の雰囲気を知るいい機会です。文化祭が再び一般に開放されれば、学校の雰囲気を味わいにぜひ行ってください。

 

④『部活見学会・体験会』 

入部したい部活が決まっている受験生の場合、部活体験に参加する子どもが多いようです。部活動は、多くの高校生の学校生活には欠かせない要素です。体験会に参加する他にも、普段の練習の様子などを見るチャンスはあるでしょう。文化祭同様コロナ禍で、部活体験会を中止する学校は多いですが、事前予約で行う私立もあるようです。

 

部活体験会は予定が合わず、息子は参加できませんでしたが、学校説明会後に、部活見学をしました。野球部がしっかり練習している様子を見て、「勉強と野球の両立ができる」と感じたようです。部活動は、高校生活の大切な要素。特に、入部したい部活が決まっている場合は、普段どんなふうに活動をしているのか見ておくといいでしょう。

 

部活体験会に参加して、先輩から熱心に説明を受けたことがきっかけで、「この高校に絶対合格したい」と思ったと話す息子の友人がいます。息子は、夫と一緒に、硬式野球部の夏の地方予選を見に行きました。1年後、その場で自分がプレーしていることを想像していたといいます。

 

受験へのモチベーションは人それぞれ。受験勉強にやる気が出るなら、目指す理由は何でもいいのだと思います。勉強漬けで日々を過ごすだけでなく、あこがれの高校生活を思い描けるような体験をすることも、受験生にとってはとても重要です。本人が本気になることこそが合格への近道。そのきっかけとなるのが、部活の体験会や、文化祭などの行事かもしれません。

 

息子は現在、硬式野球部で野球漬けの日々。ともに切磋琢磨している同期部員のほとんどが、中3の夏休みに部活体験会に参加していたようです。監督や先輩の顔を覚え、1年後の自分を想像し、以降はモチベーションを上げて、受験を乗り切ったそうです。
 

 

塚松美穂
ライター・教育アドバイザー
学習支援コーディネーター

 

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※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

塚松 美穂

プレジデント社

たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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