(※画像はイメージです/PIXTA)

中学受験では「スピーディーに問題を解くことが勉強だ」と思っている子が少なくありません。ですが、そのような子が問題をパッと見た瞬間に公式を当てはめて解こうとすると、少しひねった問題には対応できないのです。どのように勉強すればいいのか。プロ家庭教師集団「名門指導会」代表の西村則康氏が著書『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

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成績が安定しない子の「わかったつもり」

今お話ししたこととも関連するのですが、親御さんが気をつけてあげてほしいのが「わかったつもり」になっている子です。

 

最近のお子さんの傾向として挙げられるのが、「わかったふり」です。

 

算数の問題の間違っているところについて私がひととおり説明を終え、「わかった?」とたずねたとき、10年ほど前であれば、わからないときは「わからない」と返す子が多数派でした。

 

ところが最近は、こちらの問いかけに「うん」と返してきます。あるいは「ふん」です。「はい」とは言わないのですが「わかった」ということだろうと思い、しばらくたってからふり返り勉強をしてみると、ぜんぜん理解していないのです。

 

とくにお母さんが近くにいるときは、「うん」「ふん」で返してくる確率が高まります。「わからない」と言うとがっかりさせてしまうとか、あとで「どうしてわからないの」と叱られるとか、いろいろな思いがあるのでしょう。

 

子ども自身は「わかったふり」をしているつもりはなく、「わかったつもり」になっていることもあります。「説明してみて」とうながすとしどろもどろだったり、ぷいっとふくれて不機嫌になったりするので、こちらはすぐに気づきます。

 

ただ、「わかったつもり」でも、たまたま正解することがあるのです。だから、そこそこ点をとれる状態が続くわけですが、問題の難度が上がると太刀打ちできなくなります。成成績が安定しない子の「わかったつもり」今お話ししたこととも関連するのですが、親御さんが気をつけてあげてほしいのが「わかったつもり」になっている子です。成績が安定しない子の多くは、この「わかったつもり」にあります。

「納得感」のある学習…解けた喜びとその先の快感

この「わかったつもり」の先にあるのが「わかった!」という状態です。「この方法で解けるかな?」「なぜこうなるのだろう?」「前にも似た問題を解いたけど、条件がちょっと違うな」と考えながら勉強する習慣が身についていると、正解できたときに理解の度合いがぐんと深くなります。

 

なぜだかわかりますか。「解けた!」「やった!」という喜びを感じられるからです。この喜びを得られたとき、子どもは同時に「なるほど!」と納得します。

 

この「納得感」こそが、「理解する」の最上形です。

 

「なるほど!」には、「腑に落ちる」感覚があり、湧き上がってくるような快感をともないます。ですから、この段階に至った子は、こちらが「説明してみて」とうながすと、スラスラとそして理路整然と「どうしてこの答えが出たか」を語ってくれます。その姿は、実に楽しそうで、嫌なことをやらされているという感覚はみじんもないのです。

 

「○○中学の問題、やってみる?」と、その子のレベルよりもハイレベルな問題を見せると、「やってみる!」とやる気満々の答えが返ってきたりします。「自分はやれるだろう」という自信が芽生えているからです。

 

このような「納得感」を得られるのが「スロー学習」なのです。

 

中学受験には、ストップウォッチで時間を計りながら、短時間でどんどん問題を解いていくような「スピーディー学習」も不可欠です。しかし、子どもが3年間でどこまで伸びるかは、「スロー学習」でどれだけ「納得感」を得ながら勉強を重ねていけるかにかかっていると言っても過言ではありません。

 

中学受験は「スロー学習」の大切さに親子で気づけるかどうかがカギです。難関校の合否ほど、「スロー学習」で9割決まるのです。

 

西村 則康

プロ家庭教師集団「名門指導会」代表

 

 

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※本連載は、西村則康氏の著書『 難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

西村式中学受験小4~小6で差をつける 難関校合格のすごい勉強習慣 受かる子・受からない子の違いは「スピーディー&スロー」学習法

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西村 則康

日本能率協会マネジメントセンター

難関校が求める「難問に向き合ったときでも試行錯誤できる子」「自分の頭で考えられる子」を育てる。スピーディー学習、基本的な処理能力を身につけるトレーニング、スロー学習、「いつもどおり」の安定した行動をとらせるため…

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