(画像はイメージです/PIXTA)

6月10日(金)、ニューアルバム『Proof』をリリースしたBTS。活動の集大成と言えるその内容から「もうすぐメンバーが兵役に行き、活動に区切りがつくのでは?」といった声も聞かれる。「兵役免除」の特例が成立するとなれば韓国内である程度の批判は避けられないであろうが、実際に入隊するとなれば、韓国経済に与えられる経済的損失は計り知れない。その「最悪のシナリオ」とは……。

功績者であろうと…「兵役逃れ」に批判が集まるワケ

韓国内で批判が聞かれる理由のひとつに、不平等感が挙げられるだろう。男性だけが若い年代のうちの約2年を兵役に割き、その後の就職難に直面することには平素から不満が聞かれる。“男女平等”に重きが置かれる社会において、女性徴兵制を求める請願も生まれているほどだ。

 

またBTSが国際社会における韓国という存在に与えた影響は計り知れないとはいえ、韓国ブームに貢献した有名人はBTSのみに限られるわけではない。

 

そもそも、BTSが世界的に大きな人気を得るようになったのには、その前に多くのK-POPアーティストがK-POPという文化を浸透させ、人気が爆発しやすい土壌を育てていたという大きな要因が存在する。東方神起、BIGBANG、EXOをはじめとした男性K-POPグループのメンバーは、その多くがすでに兵役を終えていたり、現在まさに服務中であったりする。

 

Netflixのドラマに出演し世界的に有名になった俳優も数多いが、その功績を理由として兵役が免除されるようなことはない。

 

BTSが兵役を免除されるとなれば、不公平だという声は一部聞かれるだろうし、それは今後の芸能活動において国内でのイメージに大きく影響してしまうだろう。今後兵役に就く芸能人に対しどこで線引きをおこなうのかといった問題も生じてしまう。

 

とはいえ、「2022 ビルボード・ミュージック・アワード」で3部門を受賞、「アメリカン・ミュージック・アワード」ではアジア人アーティストとして初めて大賞を受賞するなど、目に見える大きな功績を残している。5月末にはホワイトハウスを訪問し、今までにない試みが多く見られているのは紛れもない事実だ。

 

では、実際、BTSが徴兵されるとなれば経済的にどれほどの損害が出てしまうのであろうか。 海外の経済事情に詳しい、クレディ・テック株式会社代表取締役村上年範氏に話を伺った。

 

***

 

メンバーが兵役に行くことによりBTSの活動ができなくなった場合、経済的損失は計り知れないものになる。BTSが稼ぐ売り上げはコンサート、アルバム、コンテンツ配信、広告で構成される。BTSはアメリカでのマーケティングに成功しており世界中にファンを抱えているため、売り上げに占める外国人比率が高いのが特徴だ。

次ページ韓国経済、そして外交に「想定される最悪のシナリオ」

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