(※写真はイメージです/PIXTA)

アメリカ、ダナ・ファーバー癌研究所の郭悠氏は、自身の体調はもちろんのこと、子供たちのメンタルケアにも気を配ることが大事だといいます。新型コロナウイルスの長期化により生じるさまざまな弊害について、どのように対処すべきか、みていきましょう。

子供達がワクチンを接種する必要性

まず5月15日時点でアメリカの1週間の新規感染者数は30.7%、入院患者数も17.5%上昇しており、オミクロン株感染の流行は完全には沈静化していない状況です。

 

こうした状況下、アメリカでは2022年6月より、生後6ヵ月から5歳までの小児もワクチン接種が可能となります。

 

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の5~11歳の児童を対象とした調査によると、オミクロン株感染はデルタ株感染よりも入院率が2.3倍高かったことが分かっています。一方で、ワクチン接種児は未接種児よりも2.1倍入院率が低いことも報告されています。

ワクチン接種により軽減できる可能性のある合併症

半年経っても続く…新型コロナウイルスの後遺症

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の行った調査では、新型コロナウイルス治療後の30%の人がPost Acute Sequelae of COVID-19 (PASC)またはLong COVIDといわれる罹患後症状に悩まされていることが分かっています。

 

Long COVIDでは以下のような症状が多くみられます。

 

入院治療患者:倦怠感(31%)、息切れ(15%)

外来治療患者:嗅覚喪失(16%)

 

特に入院治療が必要だった場合や糖尿病、肥満の人などの関連がみられた一方で、新型コロナウイルスの重症・死亡リスク因子である人種、年齢、所得による差はみられなかったことが特徴的です。この調査では感染または入院後60日もしくは90日後に行っていますが、他の調査でも3~6ヵ月後でも1/3~1/2にLong COVIDがみられるとしています。

 

日本でも成人で報告されているLong COVIDですが、イギリスのUniversity College Londonが11歳から17歳の生徒を調査したところ、11~14%が感染から15週以上経過したあとでも息切れ、倦怠感、頭痛などに悩まされていることが分かりました。

 

また、Israeli Health Ministryの報告では1.8~4.6%の小児が6ヵ月後にもLong COVID症状を訴えており、オミクロン株の小児への拡大感染の影響が考えられます。

 

次ページ5~11歳の小児に多い「川崎病」に似た後遺症

※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。

TOPへ