(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもの自信につながるのは、「自分は成功した」という実感です。ですから親は、上から目線で子どもを褒めるよりも、自分の力でうまくいったという成功体験を持たせることが大切なのです。精神科医の和田秀樹氏が著書『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』(大和書房)で解説します。

「勉強ができる」と「性格がよい」は両立する

■「性格もよくて勉強もできる子」に育てるために

 

“人に勝ちたい”という欲求を持ち、それを満たしていくことが大切――というと、ただ競争に勝てばいいとする利己的な性格の子に育ってしまうのではないかという心配の声が聞こえてきそうです。

 

世の中には、「勉強やスポーツの能力に優れている人間は性格が悪い。なぜなら、競争至上主義で、負けている人に冷たいからだ」と考える人がいます。一方で、「競争に負けている人はひがみっぽくて性格が悪い。むしろ競争に勝利している人のほうが性格がよい」と考える人もいます。

 

アドラーの考えは、どちらかと言えば後者でした。


 
彼は、“勉強ができる”と“性格がよい”は両立するものとしてとらえていました。人は基本的に1人では生きていくことができない、みんなで一緒に幸せになりたいという意識を持っていると考えていたからです。

 

アドラーは、この意識のことを「共同体感覚」と呼びました。

 

ほとんどの心理学は、人間の能力を開発したり、自信を持たせたり、人間関係をよくすることを目指しています。あるいは心の病にならないようにする、心の病から回復することを意識しています。

 

これに対してアドラー心理学では、人間性の向上や社会貢献を目的にしていました。

 

共同体感覚を持って社会に適応し、社会貢献する人間モデルを追求していたのです。

 

「勉強やスポーツで勝たせすぎると、性格が悪くなる」

 

などと心配する必要はありません。

 

「性格もよいし、勉強もできる」
「性格もよいし、スポーツもできる」

 

ぜひ、読者には、そんな子どもを育てるという意識で取り組んでいただきたいと思うのです。

 

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