「タバコ」は有害無益、「お酒」も“適量”に要注意
塩と同じくらい控えてもらいたいのが、「タバコ」と「お酒」です。
タバコはまさに「百害あって一利なし」なので、すぐにでも禁煙するべきです。
タバコの煙に含まれるニコチンは中枢神経を興奮させ、心拍数を増加させたり血圧を上昇させたりして、心臓に大きな負担を掛けます。さらに、ニコチンと同じくタバコの煙に含まれている一酸化炭素は赤血球のヘモグロビンと結び付き、血液の働きを邪魔します。そのため、血管が詰まって動脈硬化を起こしやすくなり、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。
タバコには中毒性がありますから、今すぐキッパリやめるのは難しいと感じるかもしれません。禁煙が難しい場合は、禁煙外来を受診するとよいです。禁煙プログラムやニコチン代替療法が保険診療で受けられますし、「一人では禁煙が続かない」という場合でも、医師ら専門家のサポートを受け、禁煙に成功する人は少なくありません。
■「ビールなら350ml、ワインならグラス1杯、日本酒なら1合」が目安
一方、お酒については、確かに「適量のアルコールは脳や心臓に良い」と考えられています。実際、さまざまな研究により「適度の飲酒者はまったくお酒を飲まない人や大量に飲む人に比べ長生きする」との結果が得られています。
その理由はいくつかあり、アルコールには「善玉コレステロールを上昇させる作用」、「血小板の凝集を抑制したり、酸化を遅らせたりする作用」、「ストレスから解放する作用」などがあるため、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)などの循環器系疾患の発病が減ると考えられています。
ただし、ここで注意したいのは「適量のアルコール」という言葉です。長い期間大量のアルコールを飲み続けると、アルコール性心筋症を起こすリスクが高まり、その結果心不全を発症するかもしれません。また、心臓の筋肉に障害を起こしたり不整脈を誘発したりして、心肥大や心不全になることもあります。
さらに、1日3合以上を長期間飲み続けると血圧が上昇し、高血圧や虚血性心疾患の危険因子になるとされています。
適量なお酒の量は個人差もありますが、目安として、「ビールなら350ml」「ワインならグラス1杯」「日本酒なら1合」と覚えておくとよいです。そして、休肝日を設け、肝臓など内臓を休ませることも必要です。
大堀 克己
社会医療法人北海道循環器病院 理事長
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