(※写真はイメージです/PIXTA)

公立中高一貫校を“受検”しようと本気で思ったら、何をすべきでしょうか? 公立中高一貫校合格アドバイザー・ケイティこと窪田亜実氏は、著書『公立中高一貫校合格バイブル』(実務教育出版社)にて、受験60日前を切ったら「3年分の過去問を一気に消化すること」をおすすめしています。ほとんどの公立中高一貫校では、合格者は報告書+適性検査(ペーパーテスト)の合計スコアで決まります。私立中学受検とは異なる「合格の秘訣」を見ていきましょう。

先に問題と解答を見て、最適な解き順を事前に考える

最後に、3年度目の取り組みについてです。今回は、先に問題と解答を見てしまいます。小問ごとの配点を確認し、どの大問から解くとより得点につながりそうか、1年度目と2年度目で気づいた教訓もふまえて、最適な解き順を事前に考えてもらいましょう。「答えを見てから解いても意味ないのでは?」と思うかもしれませんが、大丈夫です。この取り組みは高得点を取ることが目的ではないからです。そもそも過去問と同じ問題は出題されません。ですから、「この問題で80点だったから受かる!」とも言えませんし、逆に「20点だから無理…」とも言えません。では、なぜ過去問を解くかというと、志望校の傾向を知り、効率よく点を取る方法を探るためです。

 

しかし、お子さんに過去問を渡すと、小学校のテストと同じように「どうしても点を取りたい!」という気持ちが前面に出て、本番の戦略を立てるために解いているという意識が頭から吹き飛びがちです。1年度目、2年度目の教訓をふまえて答えを確認しながら、たとえば「大問2は得意な記述が多く配点が高いから、最初にやってみよう」「この問題は難しそうだけど、意外と配点が少ないから後回しにしよう」など、「安定して点が取れそうな順番」を決めるようにしてください。

 

この練習をすると、この先の過去問演習や本番で問題を開いたときに、パッと自分で解き方をシミュレーションする視点や、問題形式や難易度から配点をかぎ分ける力が身につきます。本番は1回きりです。「はじめ!」の合図があってから、「どこから解こうかな」とじっくり考えていては遅いのです。

 

 

例年、「全然終わらなかった」「大問1つ丸ごと白紙になっちゃった」と泣きながら会場から出てくる子がたくさんいます。悔いが残らないよう、どう解くのがわが子にとって効率がいいのか決められるようになってから送り出したいですよね。「自分のやりやすいパターンはこれ!」という鉄板ルートと、その鉄板ルートを柔軟に変えられる瞬間的な判断力を身につけさせましょう。非科学的かもしれませんが、「自分はこの順序で解くとうまくいく」というジンクスがある子は、落ち着いて受検に臨むことができています。本番では、保護者の方は隣についてあげられないからこそ、お子さんが「1人でも自分は大丈夫」と思える武器を1つでも作ってあげてくださいね。

 

<ポイント>

本番が終わってから、「解けたのに間に合わなかった」と流す涙を見るほどつらいことはない。いま、できることを全力で行おう。

 

 

ケイティ(窪田 亜実)

公立中高一貫校合格アドバイザー

 

 

※本連載は、ケイティ(窪田亜実)氏の著書『公立中高一貫校合格バイブル 受検500日前から本番まで「いつ」「何を」するべきか』(実務教育出版社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

公立中高一貫校合格バイブル 受検500日前から本番まで「いつ」「何を」するべきか

公立中高一貫校合格バイブル 受検500日前から本番まで「いつ」「何を」するべきか

ケイティ

実務教育出版社

わが子が公立中高一貫校に合格するために「親がすべきこと」がこの一冊でよくわかる! ●公立中高一貫校の受検を検討しているものの、どこから対策すればいいの? ●本当に塾が必要なの? ●どこまで保護者のフォローが必…

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