健康な人の9割、うち約4割は無自覚…突然死につながる「不整脈」のみつけかた【専門医が解説】

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健康な人の9割、うち約4割は無自覚…突然死につながる「不整脈」のみつけかた【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

健康診断や人間ドックで不整脈の指摘が……「精査を要する」と書かれていると、ドキッとしてしまいます。ただ、ひと口に「不整脈」といっても種類はさまざま。多くは無治療で問題ないですが、なかには突然死につながる危険な不整脈も存在すると、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長はいいます。健康な人の9割、うち3~4割が無自覚のまま進行するという恐ろしい病「不整脈」。見分け方と治療法について、詳しくみていきましょう。

命のリスクは低いが、万が一もある「心房性期外収縮」

もうひとつの期外収縮が心房性期外収縮です。上室性期外収縮ともいわれ、健常人でも認めらます。心室性期外収縮と違って、直接命のリスクに関わることはほとんどありませんが、一部の心房性期外収縮は心房細動へ移行することもあります。心房細動になると、脳梗塞や心不全のリスクが上昇してしまいます。

 

心房性期外収縮が1日100回以上の場合は年一回の検査を推奨

[図表4]の矢印が心房性期外収縮の心電図です。ここだけリズムが狂っています。矢印の部分を詳しく見ると、正常の心拍と違って、波の向きが下向きになっています。これは、通常の洞結節以外の心房で電気が発生しているために、心房内での電気信号の進行方向が変わっていることを表しています。

 

[図表4]心房性期外収縮の心電図

 

次に[図表5]を見てください。これも同じく心房性期外収縮の心電図ですが、赤かっこの部分で5発、心房性期外収縮が連続しています。このように、期外収縮は単発で起こることもあれば連続して起こることもあります。どちらかというと、単発よりも連続のほうが、動悸などの自覚症状が強く現れます。

 

[図表5]心房性期外収縮の心電図

 

心房性期外収縮を有する人がどのようなリスクがあるのかという研究が日本で行われました。対象は7692人の健康人です。

 

全員に心電図検査を行うと、64人に心房性期外収縮が認められました。その後14年間経過観察したところ、合計で338人の人が心血管疾患で死亡しました。心房性期外収縮を認めていた人は、そうでない人に比べて、心血管死する可能性が約2倍高くなっていたのです(PLoS One. 2013;8:e80853)。

「心房性期外収縮」患者の心血管死リスクが上がるワケ

なぜ、心房性期外収縮のある人は心血管死するリスクが上がるかというと、心房細動が関与していると考えられています。

 

ホルター心電図を実施して、1日に100回以上心房性期外収縮を起こしている人は、そうでない人に比べて、心房細動を発症するリスクが3〜4倍高まることがわかっています( Eur Heart J. 2015;36:170、Europace. 2012;14:942)。

 

さらに、脳梗塞と心房性期外収縮の関係性も明らかになっています。潜因性脳梗塞(原因不明の脳梗塞)の患者さんで、1日に期外収縮が1000回以上ある場合は、約40%の人が新たに心房細動を発症することが報告されています(Stroke 2015; 46: 936、Stroke 2014; 45: 884–886)。

 

つまり、心房性期外収縮自体は重大なリスクにならなくても、将来的に心房細動を発症させ、結果として心血管死につながる可能性があるということです。そのリスクは、心房性期外収縮の数が増加するほど高まります。

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。