通知表をつける「3つの観点」
お子さんの通知表を手元に置きながら確認してみてください。どの科目も3つの観点があるはずです。科目によって内容は様々ですが、一番上が「知能・技能」、真ん中が「思考・判断・表現」、一番下が「主体的に学習に取り組む態度」という順序になっています。
■観点①「知能・技能」:テストの基礎問題はパーフェクトを目指そう
たとえば、社会科の「知能・技能」なら、「国の政治の考え方、しくみや働き、先人の業績や優れた文化遺産、わが国との関係の深い国の生活、国際社会での役割について理解し、基礎的資料を通して情報を適切に調べまとめる技能を身につけている」というような観点が書かれています(細かい文言は学校によって異なりますが、だいたい似たようなニュアンスです)。
次に、小学校のカラーテストを手元に置いて確認しましょう。点数が書かれているところをよく見ると、「知能・技能」という配点の枠があるはずです。通知表の「知能・技能」は、テストごとの「知能・技能」部分の得点が大きく影響し、先生の主観や裁量が入りづらい項目です。ここはカラーテストの中でも基本的な問題を指すので、できる限りパーフェクトを取りたいところです。「ペーパーテストはいつも90点以上なのに、なぜ真ん中評価…?」と思う科目があったとしても、平均点が高い科目であれば、よほど際立って高得点でない限り、一番上の評価がつくことは難しいと考えてください。
■観点②「思考・判断・表現」:「テストの応用問題+授業中の様子」で評価
通知表に戻り、今度は各科目の2つ目の観点「思考・判断・表現」を見てみましょう。たとえば、理科の「思考・判断・表現」なら、「自然の事物や現象について予想をもとに考察し、表現しながら問題解決している」というように、「表現」「考察」といった内容が書かれています。
先ほどの「知能・技能」が基礎問題だとすると、「思考・判断・表現」はカラーテストの中の応用問題だと考えてください。テストの「思考・判断・表現」部分の得点の合算に、授業中の様子などを加味して評価されます。たとえば、ディスカッションの様子や、文章で考えを説明するような問題への取り組み、作文などの提出課題の内容などです。
■観点③「主体的に学習に取り組む態度」:先生によって「ものさし」が違う
3つ目の「主体的に学習に取り組む態度」という観点が非常に厄介です。たとえば、社会科では「社会の将来の担い手として、主体的に問題解決しようとしたり、よりよい社会を考え学習したことを社会生活に活かそうとしたりしている」というように、どのような姿勢が求められるのか、とてもあいまいでわかりづらいのです。ここは、先生の主観による判断がどうしても入ります。というのも、先生によって何を持って主体的とするか、その「ものさし」が異なるからです。算数科の観点でも「粘り強く考え、数学のよさに気づくこと」とあったりしますが、どうアピールすれば粘り強さが伝わるのか…なかなか難しいところですね。
1つ目の観点、もしくは2つ目の観点のどちらかが真ん中評価、3つ目の「主体性」が真ん中評価だと、1科目につき真ん中の評価が2つあることになります。通知表に評価欄(A、B、C)と評定欄(1、2、3)がある場合、Bが2つあればまず3は厳しいでしょう。しかし、通知表が絶対評価であること、そして「主体的」というあいまいな観点があることは、Bが2つ以上つきやすいことを意味するのです。