歩けなくなる前に気づいて…股関節が発する「3つ」のSOSサイン【医師が警告】

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歩けなくなる前に気づいて…股関節が発する「3つ」のSOSサイン【医師が警告】
(※写真はイメージです/PIXTA)

股関節のクッション役を果たしている軟骨がすり減ってしまったことにより、股関節の痛みや可動域の減少などが起こる変形性股関節症。そのまま放置すると歩けなくなるリスクもあることから、治療は「先手必勝」が肝心と、世田谷人工関節・脊椎クリニックの塗山正宏先生はいいます。では、具体的にはどのような治療法があるのでしょうか。みていきます。

「保存治療」は、あくまでも急場を凌ぐ対症療法

すでに変形性股関節症を発症している、または、進行してしまっている人の場合は、さらなる進行を防止するために保存治療を行います。しかし保存治療は、変形性股関節症を根本から治癒する「根治療法」ではなく、痛みを軽減したり病状の進行を遅らせたりする「対症療法」です。

 

「手術をできるだけ先延ばしにしたい」「手術は受けたくない」という人で、「まだそれほど症状が進んでいない」という場合には、保存治療で対処できますが、結局のところ、手術を先延ばしにしているに過ぎず、「いつかは手術を受けなければならない」という状態になることも少なくないのです。

 

保存治療をして、痛みをコントロールできたり、動きに困難がなくなったりしたら、手術治療を行う必要はありません。しかし、「痛みがなかなかおさまらない」「歩きづらさが増している」という人は、進行期から末期へ移行していることが考えられます。この場合には、保存治療ではなく、手術治療が適用になります。

痛みがなかなかひかない「進行期」以降は手術治療

変形性股関節症は、初期、進行期、末期と進んでいきます。末期になると、関節の軟骨がほとんどなくなくっている状態で、関節の隙間がなくなるため、股関節の著しい変形が起こります。

 

その結果、極度の痛みに襲われるだけでなく、筋力が低下したり、左右の脚の長さが違ってしまったりすることもあります。この時期になると、「手術治療」が標準的に行われます。

 

年齢や進行具合によって手術の方法が異なる

変形性股関節症の手術治療には、主に2つの方法があります。それぞれ適用となるケースや特徴が異なりますが、現在では、人工股関節置換術が多く行われています。

 

(1)骨盤骨切り術

骨の一部を切り取って関節の構造を変化させることで、症状の改善を目指す手術です。骨盤の骨を切る方法は症例によって異なりますが、多くの場合、寛骨臼の骨をドーム状に切ってスライドさせ、大腿骨頭を正常におおう手術が行われます。これにより、関節の荷重面が増え、負担を軽減するのが狙いです。

 

[図表2]骨盤骨切り術の方法

 

(2)人工股関節置換術

人工の股関節に置き替える手術を人工股関節置換術といいます。人工股関節は、金属製のカップ、骨頭ボール、ステムで構成されており、カップの内側には、軟骨の代わりをするライナーをはめこみます。つまり、骨頭ボールがライナーにすっぽりはまることで、滑らかな股関節の動きが再現できるという仕組みです。

 

[図表3]人工股関節置換術

 

このように、変形性股関節症の場合に行われる手術には2通りの方法がありますが、現在、主流となっているのは人工股関節置換術です。

 

次ページ2通りの手術…それぞれの「メリットとデメリット」

※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。

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