(※写真はイメージです/PIXTA)

2020年5月に金融商品取引法が改正されて誕生した「デジタル証券(ST:Security Token)」は、ブロックチェーンで管理されるデジタル金融商品のことを指します。デジタル証券が誕生してから2年が経過したいま、日本のデジタル証券の現状、商品動向について、PayPay証券の創業メンバーで、現在はHash DasH株式会社取締役の三好美佐子氏が詳しく解説します。

まだ5本だが…「自由な商品設計」が各商品の魅力に

不動産の手触り感のある投資を魅力の1つとする不動産STは、物件の魅力、分かりやすさがポイントの1つです。一般的なレジデンスのほかにも学生専用レジデンスやロジスティクス、温泉宿と、わずか5本が誕生したところで、早くもそれぞれに特徴を出し始めています。

 

温泉宿については、STの保有者に宿泊割引券のトークンをプレゼントするといった計画があるようです。これが実施されれば、経済的なリターン以外の「楽しみ」が付加されることになり、自由な商品設計が可能な不動産STへの期待に応えるものとなるでしょう。

 

なお、「不動産のデジタル証券~ALTERNAレジデンス 新宿中落合・経堂・門前仲町~」が2022年5月27日まで需要調査を行っています。

 

これは、東京23区内の単身向けマンションを3棟まとめてパッケージした商品です。単一物件でなくともこうしたイメージしやすいテーマであれば、一般投資家も投資判断がしやすく不動産投資の手触り感も十分残っているといえそうです。

 

これらすべては証券会社で販売されていますが、1口あたりの金額は50万円から1,000万円と取扱い証券会社のビジネス形態(オンライン取引または対面型営業)に応じたターゲット顧客層に合わせた形になっています。

 

利回りは、物件価格の約半分のローンを組んでレバレッジをかけた形での3~4%台に収れんしています。日頃は想定利回りなどを提示しない高リスク商品を扱うことが多い証券会社のラインナップのなかで、収益のメドがはっきり示されることや安定性の高さが投資家から好感されていると聞いています。

 

また、運用期間は4~5年が中心であり、不動産クラウドファンディングに比べると中期的に落ち着いた運用ができる長さで揃えられています。

 

2022年5月現在はまだ70億円程度の日本のデジタル証券市場ですが、商品性の多様化、法整備の進展、インフラ構築などが進み、来年2023年度には市場規模が1,000億円を超えると見る向きもあります。

 

今後の急激な市場拡大が見込まれるデジタル証券に、ますます注目が集まりそうです。

 

 

三好 美佐子

Hash DasH株式会社

取締役

 

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