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*補足:「1970~80年代はゼロ金利ではないだろう」

たしかに、「1970~80年代はゼロ金利ではない」ので、説明が必要かもしれません。

 

1970年代は、金融政策が緩和的だった時代です。1971年8月15日に、米国がドルとゴールドの兌換(だかん)を停止しました。簡単にいえば、米国が蓄えるゴールドの量に関わらず、ドルをいくらでも発行することができるようになりました。

 

貨幣の発行ですから、ゼロ金利時代のQEと似ています。その後も1979年になるまで緩和的な金融政策が続き、貨幣の価値は低下します。また、1973年の第1次石油ショックも、物価を押し上げ、ゴールドはインフレ・ヘッジの役割を担いました。

 

あわせて、1970年代半ばの景気後退では、インフレが残っていたものの、失業率が上がり始めると(=景気後退に入ると)、FRBがすぐに利下げをしたため、インフレが高まり、米国経済は本格的なスタグフレーションに向かいます。さらに、1979年の第2次オイル・ショックもゴールドの価格を押し上げたでしょう。

 

1980年と1982年に景気後退が来ますが、70年代半ばと同様、おそらくは(パターンの踏襲として)「景気後退に行くと、利下げ観測が高まり、インフレ懸念からゴールドが買われた」のでしょう。

 

しかし実際には、1979年からは、経済を犠牲にしてもインフレを退治する強烈な引き締め政策が取られ、金利の高さからドルに資金が回帰し、ゴールドの価格は下がりました。そこから1980年代をかけて、インフレ期待は曲折を経ながら、低下していきます。

 

 

重見 吉徳

フィデリティ投信株式会社

マクロストラテジスト
 

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