(※画像はイメージです/PIXTA)

もし部下が指示に従わないと思ったら、まずは自分の指示の出し方を振り返ってみてください。部下に分かる形で指示を出せていなかったり、指示の目的や意図を汲み取れていない部下が、思った以上に多い可能性があります。産業医の井上智介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

「失敗した原因」を部下に考えさせる

▶失敗した時に言い訳ばかりする

立場や年齢に関係なく、失敗した時に言い訳ばかりする人たちの共通点は、自分が言っていることが言い訳だと思っていないということです。

 

さらに彼らは、「失敗の理由(私たちから見れば言い訳にほかなりませんが)をちゃんと説明したのだから責任は果たした」と考えがちです。

 

根本的な解決をしないため、同じ失敗を繰り返す傾向もあります。

 

このような部下に対しては、失敗したという事実だけに目を向けるのではなく、どうやったらうまくやれたのかに焦点を当てて質問してみましょう。

 

たとえば部下が、「予算がなくて達成できなかった」と言ったとしたら、

 

「どれくらいの予算があれば、どのようにできたと思う?」

 

と、具体的に考えさせるようにしてみてください。

 

部下が自分で考えて答えを出せるように、ヒントやパスを投げるというイメージでいくと、本質的な改善につながります。

 

▶リモートワークで部下が仕事をしているか不安……

リモートワークで部下の姿が見えなくなった途端、仕事をしているか不安になってしまうのは、ネガティブ・バイアスが原因です。

 

人間の脳は、ポジティブなことよりもネガティブなことのほうが記憶に残るようにできています。これは自分の身を守るための生存本能です。

 

ところが、上司がこのネガティブ・バイアスに引っ張られ過ぎると、頭の片隅に残っている、部下の居眠りや雑談する姿が思い起こされたり、仕事をしない不安要素が次々に頭に浮かびます。

 

普段から真面目に頑張っている部下でも疑わしく思えてくるため、不安を払拭しようと、

 

「ウェブカメラをオンにして仕事をすること」
「1時間に1回は、進捗を報告すること」

 

という極端な指示を出してしまうのですが、これでは部下も大変ですし、余計な心配に気を取られるのは上司にとってもよくありません。

 

このネガティブ・バイアスに振り回されないようにする方法があります。それは、ネガティブなイメージをポジティブなイメージで打ち消すという方法です。

 

部下がサボっているかも……と不安になった時は、部下の仕事面でのよいところ、評価できる部分を3つ思い出してみましょう。

 

こうすることで、ネガティブに傾いているイメージをニュートラルに戻せるようになります。

 

ネガティブなイメージを持つのは人の習性なので仕方がありませんが、意識的にフラットに戻さないと、部下を管理する工夫ばかり探ってしまいます。

 

間違った部分に労力を使い、チームの生産性を下げてしまうことがないよう、意識的にポジティブな要素を思い出してみるとよいでしょう。

 

井上 智介
産業医
精神科医
健診医

 

 

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※本連載は井上基介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

井上 智介

日本能率協会マネジメントセンター

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