(写真はイメージです/PIXTA)

土地の売却価格を大まかに知っておきたい場合、固定資産税評価額から取引額の参考値を簡単に知る方法があります。不動産法務に詳しいAuthense法律事務所の森田雅也弁護士が解説します。

「固定資産税評価額」決定のしくみ

固定資産税評価額は、自分で計算をする必要はありません。では、この固定資産税評価額はどのように決まっているのでしょうか?

 

固定資産税評価額は各市町村長が決定する

固定資産税評価額は、総務大臣が定める固定資産評価基準をもとに、市町村長(東京都の場合は都)が決定しています。土地の場合には、「宅地」「農地」など課税地目ごとに過去の売買実例価額等を基礎として、評価額を算定することとなっています。

 

なかでも、宅地については土地の取引額相場である地価公示価格等の7割を目途に評価することとされており、これが「取引額×0.7=固定資産税評価額」の計算式が成り立つ理由です。

 

固定資産税評価額は3年に1回見直される

 

固定資産税評価額は一度決まったら永久に同じということではなく、3年に1回見直されることとなっています。そのため、古い固定資産税課税明細書を参考にしてしまうと現在の価額と異なる可能性がありますので、注意が必要です。

建物の固定資産税評価額は取引額の参考にならない

土地については、固定資産税評価額を0.7で割り戻すことで取引額の相場がわかると解説しました。しかし、建物の場合には、このような形で取引額を算定することはできません。

 

建物の固定資産税評価額は建物に利用されている材質などをもとに個別で評価がなされ、その後築年数の経過とともに価額が下落します。築年数が浅く建物が強固であればあるほど、固定資産税評価額が高くなるイメージです。

 

一方で、建物の売買はその建物の用途や形状などによって需要が大きく異なるところであり、必ずしも固定資産税評価額と連動するわけではありません。

 

また、一定以上の築年数が経過している建物や用途に制限がかかる形状の建物である場合などには建物自体の売却はできず、むしろ取り壊し費用がかかる可能性さえあるでしょう。

 

古い建物やそのままでは売りづらそうな建物の場合には、解体価格の目安を調べておくこともひとつです。

 

◆まとめ

土地の取引額の相場は、固定資産税評価額をもとに算定することが可能です。土地を売却するか、もしくは相続で子に遺そうかなど今後の方向性を検討する際の参考となりますので、一度算定してみてはいかがでしょうか?

 

 

森田 雅也

Authense法律事務所 弁護士
 

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本記事はAuthense不動産法務のブログ・コラムを転載したものです。

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