(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資がブームになる一方で、投資をためらったり、億劫がったりする人はまだ多いようです。しかし、政府が優遇措置を取ってまで投資を促すことからもわかるように、長期投資は資産形成に有益だといえます。生活資金に懸念が生じてから運用を検討するより、若くて身軽なうちに経験を積むほうがメリットは大きいのです。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

投資を通じた「経済への興味」は、仕事にも役立つ!

経済ニュースはなんとなく難しそうだから、あまり見ないという人も多いですね。しかし、自分の生活だって経済ですし、仕事上も経済のことを知っていれば役に立つことがあるはずです。株価が暴落したときにお客から話題を振られても、相槌くらい打てたほうがいいですよね(笑)。

 

株をもつことのメリットのひとつは、「株価をチェックするために毎日ニュースを見るようになる」ということです。そのうちに、近くにある経済関連の記事にも目が留まることもあるでしょう。あるいは、株価が変動した理由を知るために経済記事が読みたくなるかもしれません。そうなれば、素晴らしいですね。

 

私ごとですが、筆者は留学中、教科書と講義だけで英語は十分だと思い、英字新聞を読んでいませんでした。そのため、帰国の時期が迫るまで米国経済についてなにも知らなかったのです。

 

ところが、あるとき数万円分の米国株を買ったところ、突然米国経済が気になりはじめ、毎日英語の経済新聞を読むようになりました。おかげで、帰国する前には英語も上達し、米国経済への理解も深まり助かったわけです。英語の経済新聞は高いので、新聞代が数万円かかった記憶がありますが、安いものです。

 

留学していない読者には、英字新聞はおすすめしませんが、筆者の経験をまねてみたいと思ったら、ぜひ日本株を買い、日本の経済に関する記事をスマホで読んでみましょう。それならほとんど無料ですから(笑)。

「株価変動の不合理」を、身をもって学べる

株価は理屈通りには動きません。「美人投票」への例えもありますが、人々が「下がる」と思えば、みんなが売り注文を出すことで実際に下がったりするわけです。

 

しかし、投資初心者は株価が理屈通りに動くと考えている人が多いので、理屈通りに動いていない株価を見ると「株価が間違えているから、間違いが修正されるはずだ」などと考えてしまいます。

 

株価が安すぎると考えて買い注文を出したりするわけですが、人々が下がると思っているときにはさらに下がるかもしれず、理屈で考えた初心者が損をすることもあり得ます。

 

あるいは反対に、理屈通りに動かない株価を見て動揺してしまう場合もあるでしょう。上昇を続ける株価を見て「急いで買わなければ!」と焦って高値掴みをしたり、株価が暴落したことで「この世の終わりだ!」とばかりに狼狽売りをしたりする初心者は多いのです。

 

若いときから少額で投資を行い、小さな損失を繰り返し経験することで、「株価は理屈通りに動かない」ことを身をもって学んでいけるわけです。それが将来老後資金を大きく運用する際に役に立つことになります。「失敗は成功の源」ですから、少額の授業料を若いときに払っておくのは、悪いことではないと思いますよ。

 

本稿は以上ですが、投資は自己責任でお願いします。なお、本稿は筆者の個人的見解です。また、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。

 

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「幻冬舎ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「幻冬舎ゴールドオンライン」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

 

塚崎 公義
経済評論家

 

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