中小企業の社長や代表者であればいずれは訪れる「後継者問題」。スムーズに世代交代を進めるためには、「事業承継」について押さえたいポイントがあります。株式の過半数である51%を取得しても「大丈夫」といえないのはなぜか……永田町司法書士事務所代表である加陽麻里布氏がわかりやすく解説します。

事業承継では必ず「67%の株式承継」を

事業承継にあたっては、必ず「株式承継」をさせることが必要です。少なくとも過半数以上の株式を承継させなければ、後継者というのは士気が下がっていきます。株は渡さないが社長の席は譲る……これではただの「お飾り社長」となってしまいます。後継者が安心して経営することができるよう、株式は必ず承継させましょう。

 

安定的な会社経営には「67%の株式」を握る必要があるといわれています。よく「過半数(51%)を持っていれば安心」と聞くかもしれませんが、これは大きな間違いです。

 

過半数の議決権では、会社法上株主総会の「普通決議」ができるに留まります。逆に、2/3以上(67%)議決権を有していれば、株主総会「特別決議」を成立させることができるのです。

 

特別決議をすると、会社名を変える・事業目的を追加するといった「定款変更」の決議ができるほか、「資本金の減少手続き」、「事業譲渡」、「組織再編」など会社の根幹にかかわるような決議を成立させることができます。

 

ですので、安定的な経営には「67%の議決権が必要」ということもぜひ覚えておいてください。

事業承継で問題となる「個人保証」

事業承継において一番のハードルとなるのが「個人保証」の問題です。会社経営をしていれば、会社で購入した不動産や銀行からの借り入れの際には、会社だけでなく代表者個人が個人保証に入るというのが一般的です。

 

当然この個人保証も後継者に引き継いでいく必要がありますが、親族外承継においてはこれが非常に高いハードルになっています。

 

事業に失敗すれば経営者個人の財産が差し押さえられてしまう可能性もあるため、会社が常に健全な経営をしていなければ、親族以外の方は大変リスクが高く、後継者として引き受けてくれないという事態になってしまいます。先代の経営責任を押しつけるような承継というのはなかなか厳しいものがあります。

 

また、先代個人が会社に貸し付けている土地や建物があるケースも非常に多いですが、これについては事業承継と同時に会社で買い取るなどの対応をしていく必要があります。

 

後継者以外の相続人に不動産以外の財産をしっかり残さないと遺留分の問題なども生じますので、専門家としっかり検討のうえ行ってください。

 

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    本記事は、GGO編集部あてに届いた事例をもとに、永田町司法書士事務所の加陽麻里布氏が解説したものです。

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