(※写真はイメージです/PIXTA)

「不倫」「浮気」「離婚」「セクハラ」……銀座さいとう法律事務所には、今日も有象無象のトラブルが舞い込みます。本連載では、齋藤健博弁護士が実際に寄せられた事例をもとに、男女の法律問題を解説していきます。

「不貞行為の時効は3年」と思ってはまった落とし穴

まず、日村さんが信じていた「不貞行為の時効は3年」という話には穴があります。法律では「損害および加害者を知った時から3年」で時効にかかると規定されているのです(民法724条)。

 

弁護士が、地方裁判所から届いた内容証明郵便と訴状を見ると、「たまたま元妻が戸籍謄本を取った際、元夫に新しい子供がいることに気づいてしまった」ことがわかり、その時点で不倫について勘付いたのであれば時効が成立しないことがわかります。

 

さらに元妻は、「その子供の出生日をみると、『婚姻関係にある状態で性交渉をしていないのであれば、説明できない』日付であったため、不倫していた事実を知った」というのです。

 

弁護士に対し「不貞行為は4年前の1回きりだ」と話していたところ、判明した子の出生日には「驚き」としか言いようがありません。時効を主張したかったのでしょうが、時効が成立しないだけでなく、そもそも3年以内に不貞行為があったのです。バレないと考えていたのかもしれませんが、隠し通せることではありません。

 

離婚の慰謝料の相場は50~300万円であるため、さすがに請求されていた500万円とはならず、和解の金額は150万円に落ち着きましたが、日村さんは最後まで納得のいかない様子でした。

 

巷では「時効3年」の噂が独り歩きしているかもしれませんが、「不貞行為をした時点から3年」ではありません。不倫をしておいて“安心”しきっていると、痛い目にあうかもしれません。

 

 

齋藤 健博

銀座さいとう法律事務所 弁護士

 

※プライバシーに配慮し、実際の相談内容から変更している部分があります。

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