人に相談しづらい「肛門の痛み」…実は癌(がん)の可能性も【専門医が解説】

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人に相談しづらい「肛門の痛み」…実は癌(がん)の可能性も【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

人にはいいづらいものの、痛むとなかなか我慢できない肛門周辺の痛み。大腸・肛門外科の中島康雄医師によると、肛門周辺に発生する痛みには、「原因がはっきりしているものと原因がわからないものに分けられる」といいます。本記事では、そんな「肛門の痛み」の原因と治療法について詳しく解説します。

肛門痛の9割を占める「痔核、痔瘻、裂肛」

ほとんどの方は、原因の明らかな症候性肛門痛です。

 

具体的には、

 

・痔核(いぼ痔):血栓性外痔核、嵌頓(かんとん)痔核、随伴(ずいはん)裂肛の合併

・痔瘻(ぢろう):肛門周囲膿瘍

・裂肛

・高度の便秘

・直腸癌や肛門癌など悪性腫瘍

・肛門部ヘルペス

・肛門子宮内膜症

・門異物

・直腸・泌尿生殖器、仙骨・筋肉・靭帯などの骨盤内臓器の病気

・腰椎・脊椎の病気

 

などがあります。

 

肛門科に受診される肛門痛の9割は、肛門の3大疾患である「痔核、痔瘻、裂肛」によるものです。

 

痔核

 

一般的に「痔」といわれている疾患は「内痔核」です。

 

内痔核は排便時、またひどい場合は歩行時やしゃがんだときなどにいぼが脱出してしまうもので、基本的には痛みはありません。

 

しかし、脱出したいぼが戻らなくなると、肛門括約筋が縮まり、締めつけられ、急激な循環障害による血栓、潰瘍、壊死およびリンパ浮腫などが出現します。これは整復困難で激しい痛みを伴う「嵌頓痔核(かんとんじかく)」という状態です。

 

また、脱肛がひどくなると、いぼの脇が切れて治らなくなる「随伴裂肛(ずいはんれっこう)」を伴うようになり、これも排便時、排便後に激痛を伴います。

 

また、「血栓性外痔核」による肛門痛も多くみられます。外痔核とは、肛門と直腸を仕切る歯状線(しじょうせん)よりも肛門側に生じた痔のことです。

 

外痔にある静脈叢(じょうみゃくそう)のなかの血流が滞ると血栓が生じ、歯状線よりも下方の上皮には痛覚があるため、痛みを伴います。徐々に痛み始めるのではなく突然前触れなく強い痛みに襲われ、硬いいぼ状のものに触れることができたら、血栓性外痔核かもしれません。

 

原因としては、排便時の強いいきみや過度の飲酒、長時間の座位などが発症につながると考えられています。

 

男性に多い「痔瘻(じろう)」:肛門周囲膿瘍

 

痔瘻は、後天的にできた肛門管内と交通のある瘻管(ろうかん)と定義されています。つまり、肛門から周囲組織に管状のものができる状態で、男性に多いのが特徴です。

 

痔瘻自体に痛みはありませんが、痔瘻ができるとまず肛門陰窩(こうもんいんか)にある肛門腺に感染を起こし膿が溜まります。これを「肛門周囲膿瘍」と呼びますが、この状態になると肛門痛が生じます。

 

肛門周囲膿瘍は深さによって痛みの出方がさまざまですが、徐々に痛みが出始め3~5日すると痛みが激しくなり、肛門周囲にしこりを感じるようになるのが特徴です。切開し、膿を出すことで速やかに痛みをなくすことができます。

 

激しい痛みのある「裂肛(切れ痔)」

 

裂肛は肛門上皮にできた裂創や潰瘍のことで、俗に「切れ痔」とよばれています。

 

痛みは排便との関係が強く、硬い便や繰り返す下痢などで肛門に負担がかかったときに激しい痛みが出ます。症状がひどくなると排便後も痛みが続くようになり、ひどくなると1日中痛みます。繰り返すと肛門狭窄を伴うようになりさらに痛みます。出血は少量のことが多いです。

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。