暖かい陽気から、一気に暑くなる日も増えてきました。この時期から出てくる子どもの肌のトラブルといえば、「あせも」です。本記事では、医療法人啓信会きづ川クリニックの米田真紀子氏が、子どものあせもトラブルについて解説します。
子どもの体にぶつぶつが…知っておきたい子どもの「あせも対策」【小児科医が解説】

夏場だけではないあせもトラブル

暑くなればあせもができやすくなるのは当然ですが、意外に冬場にもあせもの相談はよくあります。子どもは寝るとき布団からすぐに出てしまうので、あったかいスリーパーを着せたり、厚着させたくなったりするかもしれません。

 

しかし、基本的に子どもは暑がりなので、その必要はありませんし、厚着させることでかえってあせものトラブルが起こってしまう場合があります。手足が多少冷たくなっていても、体が冷えていなければ、厚着をさせる必要もありませんし、必要以上に暖房を付ける必要もありません。大人よりも一枚少なくするイメージでよいでしょう。

 

また、最近よく聞くのは、保育園などでも床暖房を導入していて、子どもがあせもを起こす事例です。特に小さい赤ちゃんは寝かせていると、床暖房の部分は熱がこもってあせもになりやすいので、注意が必要です。

 

その他、抱っこひもで赤ちゃんとお出かけする場合には、お母さんやお父さんと長時間密着している部分、つまり向かい合わせの抱っこの場合はおなか、前向き抱っこの場合は背中ですが、その部分はあせもができやすいので、注意してください。

「カビの一種」が悪さをしている場合も

また、あせもの治りが悪い子のなかには、マラセチアというカビの一種が悪さをしている場合もあります。マラセチアはアトピー性皮膚炎の悪化の原因にもなることで知られているカビですが、正常の皮膚にも存在し、皮脂を栄養源にして生きています。

 

皮膚上に存在している細菌や真菌のバランスが崩れて、マラセチアが増えすぎたり、マラセチアに対するアレルギー反応が起こると、皮膚の炎症が起きてしまうことがあります。

あせもが悪化している…病院を受診してもいい?

「たかがあせもで受診してもいいの?」と迷われる方もいるかもしれませんが、多くのあせもはかゆみを伴うため、掻き壊してしまってどんどん悪化します。特に小さい子供は加減が効かず、血が出るまで掻いてしまうこともあります。

 

一旦皮膚がただれてしまうとなかなか治らないうえ、とびひなどの感染症も引き起こしやすくなります。雑菌の繁殖やアレルギーが関与している場合もありますので、上記の対応をしてもどんどん悪化していく場合や、対応が後手に回るようであれば、早めに皮膚科や小児科を受診するほうがよいでしょう。

 

また、あせもだと思って放置していたら、他の病気だった、ということもあるので、迷ったときは一度受診してみてもいいと思います。

 

米田 真紀子

啓信会きづ川クリニック

小児科医

 

 

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