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猫アレルギーは珍しいものではない
アレルギーの原因は猫を含むペットであることが10%程度という調査結果があります。スギ・ヒノキなどの花粉が70%程度、ハウスダストが35%程度、ダニが15%と推定されております。猫アレルギーの発症頻度は、1~2割程度であるため、珍しい疾患・原因ではありません。
猫アレルギーとは
猫アレルギーは、猫に含まれている唾液・皮脂腺・体毛・ふけ・分泌液に含まれる抗原が、皮膚を介してヒトの体内入り込んで生じます。
その抗原は、猫の体表面や唾液中に含まれる「Fel d1」(フェルディーワン)と言われ、非常に小さな粒子であるため、壁・床・カーテン・天井に付着し、体内に取り込まれて発症します。
今まで症状がなくても、ペットショップや猫カフェに行ったり、猫を飼い始めてから症状が出る場合があります。猫アレルギーの症状は、くしゃみや鼻水、かゆみを伴う眼球結膜充血、皮膚発赤、重症の場合には気管支喘息に類似した呼吸困難に発展します。
猫アレルギーの治療
猫アレルギーの診断・検査・治療は、小児科・内科・アレルギー科へ受診してみてください。可能であればアレルギーを専門あるいは知識が詳しい医師への相談をおすすめします。
受診後の流れは、症状経過を問診で確認した後、他のアレルギーとなる原因(ダニ、ハウスダストなどを含めて)血液検査やパッチテストを実施します。
猫アレルギーの検査は多くの場合、保険適応となります。猫の他にもスギ・ヒノキなどの花粉、ハウスダスト・ダニなどを含めた項目など、10以上の項目をまとめて検査ができる「RAST検査」で実施します。
アレルゲンを個別で確認することも13項目までは保険適応となります。検査費用としては保険適応でおおよそ5,000円ですが、検査内容・費用は医療機関によって変わりますので、事前に問い合わせをされることをおすすめします。
軽い症状なら猫アレルギーでも猫と一緒に暮らせる
猫を飼い始めてから、症状経過や検査結果で猫アレルギーと診断された、あるいは疑われる場合でも、気管支喘息様などの重症な症状がなければ、猫を飼い続けることも検討できます。
猫アレルギーを引き起こすアレルゲンは極めて小さく、空気中に舞い散ると長い時間、部屋の中にとどまることも珍しくありません。猫アレルギーとわかっている方は、できるだけ猫や猫に接触した物に触れないように注意が必要です。