順位を上げたメルボルンと下げたパリ、香港
オーストラリア第2の都市であるメルボルンは、順位を5つ上げ、5位となりました。メルボルンは、経済のダイナミクスとイノベーションで高い評価を得ましたが、輸送インフラでは他の都市に遅れをとっています。一方、欧州の都市で唯一トップ10入りを果たしたパリは、3つ順位を下げて7位となりました。
香港も順位を落とし、6位から9位に後退しました。ただし若干の後退となったものの、多くの分野で引き続き高い評価を得ており、特に総合3位をつけたイノベーション、輸送インフラへのアクセスで高い評価を維持しています。
米国第3の都市であるシカゴは、昨年のランキングから22位順位をあげ、トップ10入りを果たしました。同じ米国の都市であるフィラデルフィアは、31位順位をあげ、13位になりました。オランダのアムステルダムも26位順位をあげて21位と健闘しています。
ロックダウンがグローバル都市に与える重大な影響
「新型コロナウィルスのロックダウンがグローバルの都市に与える重大な影響は、まだデータに十分に反映されていません。しかし、いくつかの著名な都市は厳しいロックダウン規制を導入しました。
これらのコロナ関連の規制は、例外なく対内投資の呼び込みや企業の都市への定着、オフィスを維持したいという意向に対して悪影響を与えるでしょう。」とヒューゴ・マーチンは述べています。
「たとえば、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、香港、アメリカ西海岸の都市は、厳しく長期にわたる制限に耐えてきました。これは、都市の長期的な魅力にマイナスの影響をおよぼす可能性があります。」
「米国では、テキサス州やフロリダ州といったサンベルト地帯への移住が顕著になってきています。当社では、求人情報や郵便物の転送データを通じて、この動きを追跡し始めています。おそらくこの傾向は、新型コロナウィルスのパンデミック以前から始まっていたと思われます。
西海岸の都市では、生活費の高騰や社会的な問題から生活の質が低下しており、パンデミックによる規制強化がこれをさらに悪化させました。一方、南部の州の都市では、実物資産に対する需要が引き続き加速しています。」とも述べています。
福澤 基哉
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社
執行役員/プロダクト統括
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