本記事は、東洋証券株式会社の中国株コラム「中国からの便り」から転載したものです。

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「コロナは海外からもたらされた」…中国の認識

「今からPCR検査を実施します。スマートフォンを持って、すぐに降りて来てください」――

 

自宅マンションのインターホン越しにこう呼びかけられた。画面に映るのは白い防護姿のスタッフ。

 

ついに来たか……。上海市による巡回型の強制検査である。マンション1階に臨時のPCR検査会場が設置された。自費検査は1回40元(約700円)程度だが、今回は無料。スマホでの手続きから検査完了まで10分ほどであっけなく終わった。ただ、「深夜に突然呼び出されて雨のなかで2時間も並んだ!」と愚痴る知人もいた。

 

上海では3月に入り新型コロナのオミクロン変異株が猛威を振るっている。感染力が強く、中国が未経験の非常に厄介なタイプだ。

 

ゼロコロナ政策の下、市内では徹底的な検査と隔離が始まった。感染者や濃厚接触者が立ち寄った施設は即時閉鎖。市民は外出を控え、3月中旬には街から人や車が消えた。まるでゴーストタウン。目立つのは、フードデリバリーやネットスーパーの配送スタッフだけ。なんだか2年前に逆戻りしたみたいだ。

 

今回の感染拡大は、海外からの渡航者の集中隔離ホテルが発端とされる。中国ではコロナウイルスは海外からもたらされたとの認識が根強く、今回の件で警戒感がさらに高まったよう。マンションの管理人さんに、今年は日本から家族が訪れるかもしれないと伝えると、「できれば来てほしくない」とズバリ返された。

 

感染者ゼロの日もあった年初は「隔離を経ればOK」と優しく言われていたのに、態度と雰囲気が一変。あの頃の寛容さが懐かしい。

 

隔離や封鎖が相次ぎ、仕事がままならない人も増加中だ。私がよく行く美容院も、区の要請に基づき営業停止を余儀なくされた。再開のメドも分からず、担当者は「これは死活問題」と焦りを隠せない。

 

自治体から補助金が出る可能性もあるのでは、と慰めるつもりで話したところ、「何を夢のようなことを……ここは日本じゃないんだよ」とバッサリ切られた。以前もコロナの影響で経営規模を大幅に縮小していたため、イヤなことを思い出させてしまったようだ。

 

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