介護の自己負担500万円以上…老後資金では不安、どうすれば?【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

人生100年時代が到来しました。要介護になると、元気なころよりお金が必要です。公的介護保険があるため、介護サービスは原則1割負担で受けられます。しかし、介護が長期化すれば、その分自己負担は増えていきます。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏と横川由理氏が『NEWよい保険・悪い保険2022年版』(徳間書店)で解説します。

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優先度の高い保険、優先度の低い保険

人生100年という長いライフプランにおけるリスクを考えてみました。それぞれの家庭の状況によってリスクも必要な保障も変わりますが、保険選びの参考にしていただければと思います。

■優先度の高い保険ジャンル

◆死亡保障

死亡は最大のリスクですから、保険のなかではもっとも重要な保障です。

 

死亡保障には、終身保険・定期保険・収入保障保険などがあります。いずれも死亡したら保険金が出ます。子どもが小さいうちは大きな保障が必要ですが、独立したあとは保障額を小さくしても大丈夫です。

 

死亡保障は、一生涯にわたって必要な人もいれば、期間限定でこと足りる人もいます。扶養家族がおらず、死亡してもお金に困る人がいないなら、必要ありません。相続財産が多い場合は、相続税対策として終身保険を利用するとよいでしょう。

 

◆がん保険

がん保険の役割は、がん治療による収入の減少に備えることです。治療法が進歩し、がんと一緒に生きる人は増えています。治療を受けながら働いたり生活する状況を中心に考え、保険を選びましょう。そうしたニーズに応えるため、一時金または定期的に給付金を受け取るタイプがトレンドになっています。

 

◆就業不能保険

死亡については、死亡保障で備えられます。しかし、生きているけれど働けない状態もあります。働けなくなれば、当然のことながら収入は減ります。そんなときに「就業不能保険」が役立ちます。まさに「生存リスク」に対応した保障です。

 

もっとも、会社員や公務員は傷病手当金が出るので、すぐに困ることはありません。ただ、自営業者やフリーランスは、働けないことが収入ゼロに直結します。そういう意味でも優先度の高い保険です。ほとんどの商品は精神疾患に対応していますし、三大疾病などで長期療養になったときの備えになります。また、就業期間が65歳、70歳と延びている時代です。住宅ローンが残っている可能性を考えると、70歳くらいまで備える必要が出てきました。

 

◆介護保険

「お金は元気なうちに使わなきゃ」と考える人は多いもの。ですが、「要介護」になると、元気なころよりお金が必要です。公的介護保険があるため、介護サービスは原則1割負担で受けられます。しかし、介護が長期化すれば、その分自己負担は増えていきます。生命保険文化センターの調べでは、平均的な費用は500万円以上です。

 

とはいえ、有料の老人施設を利用する場合は、負担額はもっと大きくなります。施設もさまざまですが、ケアの体制が手厚いほど、料金は高くなりがちです。快適な老後生活を送るためには、お金が必要なのです。普段の暮らしに使う老後資金とは別に、余裕資金として用意しておきたいものです。

 

その準備が難しいようなら、保険で備えるのもひとつの方法です。

 

◆認知症保険

2024年には、高齢者の5人に1人が認知症を発症すると言われています。認知症になると、介護費用が多くかかるというデータもあります。認知症への不安が高まるのも当然でしょう。

 

認知症保険は、認知症になったときに給付金を受け取れます。ただ、要介護状態になる原因は、認知症に限りません。転倒による骨折や脳梗塞なども可能性としては大いに考えられます。そういう意味では、介護保険のほうが幅広くカバーできます。介護保険に入れば、認知症にも備えられます。

 

■優先度の低い保険ジャンル

◆医療保険

新規契約数がもっとも多い保険ですが、実際の優先度はあまり高くありません。というのも、公的な健康保険制度が整っているおかげで、医療費の自己負担はそれほど多くないからです。ある程度の貯蓄があれば、対応できるでしょう。もちろん、リスクの大きさはそれぞれ違います。余裕資金が少ない人にとっては、必要な保険かもしれません。

 

◆引受基準緩和型保険

引受基準緩和型の医療保険は、優先度があまり高くありません。その理由は医療保険の項目で述べたとおりです。しかし、同じ引受基準緩和型でも死亡保険は違います。通常の保険に比べて割高になる点はデメリットですが、持病があるけれど保障は必要という人にとっては有効な保険です。

 

◆個人年金保険

老後資金の備えとする貯蓄型の保険です。しかし、超低金利時代ですので、ほとんど増えません。「iDeCo」や「つみたてNISA」などは税制優遇があり、こちらを利用したほうが効率的に備えることができます。

 

◆健康増進型保険

健康を維持するというモチベーションを保つには有効です。でも、これはあくまでも保険です。飛びつく前に、自分にとってその保険が本当に必要なのかどうかを、よく検討しましょう。モチベーションをアップできる方法がほかにあるなら、そちらで十分です。

 

◆トンチン年金

損益分岐点が90歳以降になるため、かなり長生きしないと得になりません。公的年金の繰下げ受給を選んだほうが、効率的に年金を増やせます。
 

 

長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
横川 由理
FPエージェンシー代表

 

 

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ファイナンシャルプランナー
AFP
日本年金学会会員

大学卒業後、出版社に勤務。いくつかの出版社の編集部を経て、1997年に「NEO企画」を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生みだす。お金のしくみ、保険のカラクリについての得する情報を発信している。

著書には『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『かんたん!書き込み式 保険払いすぎ見直しBOOK』(河出書房新社)、『コワ~い保険の話』(宝島社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)が、監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』などがある。

【ホームページ:http://neo.my.coocan.jp/nagao/

著者紹介

FPエージェンシー代表
CFP®
MBA(会計&ファイナンス)
日本証券アナリスト協会 認定アナリスト

生命保険会社での勤務を通じて、買う立場の人が不利にならない説明をする人が必要だと痛感。ファイナンシャル・プランニングの教育業界に飛び込む。

現在は、大学や企業、マネーセミナーの講師をはじめ、執筆など幅広く活動中。

著書には『2022〜2023年版保険 こう選ぶのが正解!』(実務教育出版)、『大切な人を亡くしたあとのお金のこと手続きのこと』(河出書房新社)が、監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』などがある。

【ホームページ:https://fp-agency.com/

著者紹介

連載忖度なし!プロが選ぶよい保険・悪い保険

NEWよい保険・悪い保険2022年版

NEWよい保険・悪い保険2022年版

長尾 義弘
横川 由理

徳間書店

人生100年時代といわれるほど人の一生は長くなりました。しかし長生きになることによって、新たなリスクが生じています。それは「生きるリスク」です。80~85歳の27%が要支援・要介護、85歳以上だと59%超というデータがあるよ…

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