フィリピンの高度経済成長を支える「人口ボーナス」
続いて、人口ボーナスについてみていきましょう。人口ボーナスとは、いわゆる労働人口の比率のことで、労働人口が非労働人口よりも多い状態を指します。このような状態であれば、国の生産性があがってきます。
人口ピラミッドを見ればわかりますが、フィリピンの人口ピラミッドは、キレイなピラミッド型をしています。ほかの東南アジアをみてみると、実はこのようなカタチをしているのは、フィリピンだけです。このような状態が2062年まで続くといわれ、インドと並び、世界のどの国よりも長いといわれています。
ちなみに日本も高度経済成長期には、キレイなピラミッド型をしていました。それが段々と経済が成熟し、成長が鈍化していくと、人口ピラミッドはつぼ型となり、そして釣り鐘型となります。
2015年の生産年齢人口を1とした際、フィリピンは2060年まで右肩上がりに増加し、1.6~1.7までになるといわれていますが、同じインドネシアでも1.2、ベトナムでは1を下回るといわれています。フィリピンは世界一長期的に人口ボーナスを享受できるというわけです。
現状、フィリピンの国債の格付をみてみると、「Aマイナス」(日本格付研究所2021年9月6日時点)。日本が「A」ですから、日本とさほど変わらない水準です。ちなみにほかの東南アジアの国をみてみると、ベトナムは「BB」、インドネシアは「BBB」、タイはフィリピンと同じ「Aマイナス」です。
また公用語が英語のため、グローバル企業のコールセンターなどが多数進出。年3兆円近くも外貨を稼ぐ海外出稼ぎ労働者(OFW)の存在も、経済成長のドライバーとなっています。
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