(※画像はイメージです/PIXTA)

海外から食品を輸入して、レストランやショップなどに卸す輸入販売事業が新型コロナの影響を受けて収入激減が続いています。これをきっかけに保険の断捨離をしたいといいます。コロナ禍で収入減の自営業者の保険はどのように見直せばいいのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏と横川由理氏が『NEWよい保険・悪い保険2022年版』(徳間書店)で解説します。

「FIRE」を目指す…早期退職者のライフプラン

ケーススタディ⑦
秋川良信さん(仮名)45歳、会社員・個人投資家
子ども:19歳(離婚した妻と同居)
家計の状況
年収:800万円
●月額の保険料:7,500円

 

■子どもの就職が決まるまで死亡保障は継続医療保険は不要

みなさんは「FIRE」という言葉を聞いたことがありますか? 火事じゃないですよ。これはアメリカではやっていることで、「経済的に自立することで、早期に退職する生活スタイル」のことです。

 

ワークライフバランスという考え方が普及して久しいですが、現実の日本では仕事優先感が否めません。

 

秋川さんは45歳の独身男性ですが、貯蓄が5000万円に達したこの機会にFIRE を実践、セミリタイアしたいと思っています。

 

これまで貯蓄することを優先してきたので、それほど多くの保険に加入していません。別居している子どもが受取人の定期保険1000万円と、1日あたり5000円の医療保険の2本です。お子さんの死亡保障に関しては、就職が決まるまでは続けてください。

 

保険は貯蓄では対処できない分を、保険料というお金を保険会社に払うことによって、いざというときに、保険金を受け取るものでしたね。

 

医療保険は、解約してもよいと思います。終身払いの医療保険だと、今後支払う保険料の合計は軽く100万円を超えます。入院給付金を100万円分、受け取るのはまず無理でしょう。

 

子育てが終わると、保険も卒業です。もし、保険がなくなることに不安をお持ちの場合は、就業不能保険を検討してもよいでしょう。

 

『NEWよい保険・悪い保険2022年版』(徳間書店)より。
●見直し前と見直し後 『NEWよい保険・悪い保険2022年版』(徳間書店)より。

再雇用で働く…定年後のライフプラン

ケーススタディ⑧
夫:宗方雅夫さん(仮名)62歳、再雇用
妻:真理子さん(仮名)60歳、パート
家計の状況
夫の年収:300万円
妻の年収:100万円
●月額の保険料:4万700円

 

■一生涯を通じて支払う保険料の総額を考えて

宗方さんは2年前に定年退職を迎え、現在は再雇用されて、週5日働いています。現役時代に加入していた定期保険特約付終身保険は、すでに保険料を払い終わり、200万円の終身保険のみ残っています。

 

定年退職を機に、老後のことがあれこれ心配になり、多くの保険に加入してしまいました。妻と2人分の保険料は、1ヵ月に4万円を超えています。加入したときは、「これで老後は安泰だ」と思ったのですが、もし90歳までの30年間にわたって保険料を払い続けると、1465万円にもなってしまうと知り、仰天しました。

 

今は仕事があるので、保険料を払っていけますが、年金生活になって払い続けられるのか不安です。宗方さんは退職金と貯蓄の合計が3000万円以上ありますから、保険に加入するのではなく、貯蓄で備えるほうがよいと思います。そうしないと、貯蓄のうち半分が保険料に消えてしまいますよ!

 

もちろん、入院時には心強いとは思いますが、入院する確率は低いですし、わずか60日間の保障しかありません。一生涯を通じて払う保険料の総額を冷静に考えてください。

 

保険を解約するときは、今まで保険料を払ったのに、すぐに病気になるかもしれない、などあれこれ不安に思うものです。しかし、今回は妻の医療保険を除いて解約することにしました。
 

『NEWよい保険・悪い保険2022年版』(徳間書店)より。
●見直し前と見直し後 『NEWよい保険・悪い保険2022年版』(徳間書店)より。

 

長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
横川 由理
FPエージェンシー代表

 

 

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NEWよい保険・悪い保険2022年版

NEWよい保険・悪い保険2022年版

長尾 義弘
横川 由理

徳間書店

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