ロシア中央銀行は2月28日、政策金利を20%に引き上げる発表。ウクライナ侵攻による米欧の経済制裁で通貨ルーブルが急落、過去最安値を更新しました。さらにロシア国債も暴落しました。なぜ通貨が下がると金利があがり、国債が下がると利回りが上がるのでしょうか。日本経済の分岐点に幾度も立ち会った経済記者が著書『「経済成長」とは何か?日本人の給料が25年上がらない理由』(ワニブックスPLUS新書)で解説します。

資本主義ではお金が動いて成長していく

■資本主義は借金で回る

 

一般の人からすると、「借金をする」という言葉に対する抵抗感は強くあると思います。でも、資本主義は借金をすることで回っていくのです。もしも借金ができなかったら、経済は発展しません。

 

借金は元手です。人間は生きるうえで必要なエネルギーを得るためにモノを食べますが、資本主義経済でいうと「エネルギーを得るためのモノ」にあたるのが借金です。

 

現実にいま持っている資産だけで生きていこうとしたら、新しいことは何もできません。いま持っている資産は新しいことに使えませんから。

 

要するに資産を持っていても、将来大いにグレードアップしていこう、より大きなビジネスチャンスを手に入れよう、あるいは子供を育てたい、あるいは家を買ってよりいい暮らしのもとに何かを始めようとか考えると、これには借金が必要です。

 

企業にしても、いま現在生産しているものだけ、しかもその生産量を増やさなかったら、発展は望めません。だから新しい商品を開発したり、設備投資をやったり、用地を取得したりすることが必要になってきます。ただそれを実現するにもやはり資金調達が必要です。手元にある財産だけ、つまり自己資金だけでやろうとしても、それはたかが知れているわけですから。

 

そのために株式があり、投資をしてもらう―株式は元本の返済義務はありませんが、株主には配当というカタチで還元します。株式上場するのも、資本主義における企業の資金調達の方法のひとつです。あとは純粋に銀行から借り入れるか、社債を発行するかです。

 

お金(資金)というものはどこかで余っていて、貸し手はいくらでもいます。お金を持っているだけでは意味がないから、どこかに貸して、利益を還元してもらいたいわけです。

 

このように借り手と貸し手の利害が一致するから、資本主義ではお金が動いて、パイが大きくなる、即ち成長をしていくわけです。資本主義には、そういう意味で非常にダイナミズムがあるということです。
 

 

田村 秀男
産経新聞特別記者、集委員兼論説委員

 

 

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本連載は田村秀男氏の著書『「経済成長」とは何か?日本人の給料が25年上がらない理由』(ワニブックスPLUS新書)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「経済成長」とは何か?日本人の給料が25年上がらない理由

「経済成長」とは何か?日本人の給料が25年上がらない理由

田村 秀男

ワニブックスPLUS新書

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