(写真はイメージです/PIXTA)

親の介護をした場合、親の相続時に寄与分を主張することはできるのでしょうか。また、子が親の預貯金を生前に管理する場合に注意すべき点はあるのでしょうか。相続に詳しい、Authense法律事務所の堅田 勇気弁護士が詳しく解説していきます。

子どもが「親の財産」を管理する場合の注意点

親の介護を行う場合に、通帳などの親の財産を管理することも多いです。ここでは、介護をする相続人が親の財産を管理する場合の注意点をお伝えいたします。

 

親の財産を管理する場合の注意点は、「親の通帳から引き出した金銭の使途の資料を残しておくこと」となります。

 

親の病院代やデイサービス費用、生活費などを支払う場合は、可能な限り、親の口座から支払うようにしましょう。家賃や光熱費、税金などについては、どこにいくら支払ったかが通帳にて確認できるように、口座引落しの手続きをとっておくことをお勧めします。

 

もし、小口の生活費を支払う場合に、親の口座から出すことが面倒な場合は、親の口座から一定金額を引き出し、当該金額の使途が分かるように、レシートや領収書などを残しておくとよいでしょう。引き出す金額は、5万円や10万円などの少額にしておくと、管理も簡単です。

 

介護をしている相続人が、親の財産を管理することについて、他の相続人が快く思っていない場合は、財産の管理について書面を作成するなどの対応をしておくことも有用ですので、弁護士などの専門家に相談することも検討しましょう。

介護をした相続人が、財産を多く取得する方法は?

「寄与分」以外に、介護をした相続人が財産を多く取得する方法としては、以下のようなものが考えられます。

 

まずは、遺言書で、相続人が取得する財産を決めてしまうということです。

 

たとえば、介護をした相続人が多めに遺産を取得できるような内容の遺言書を作成しておくと、相続発生後に「寄与分」の主張などをしなくても、介護をした相続人が法定相続分より多めに遺産を取得することが可能です。

 

次に、被相続人を被保険者、介護をした相続人を受取人とする生命保険金に加入することです。

 

被相続人の相続が発生すると、介護をした相続人は、受取人として生命保険金を取得することができます。生命保険金は、原則として、受取人固有の財産とみなされますので、遺産分割の対象とはなりません。

 

そのため、介護をした相続人は、法定相続分に加えて、生命保険金を取得することができますので、実質的には法定相続分より多めに遺産を取得できることになります。遺言や生命保険金については、被相続人の生前に手続きをとる必要があります。

 

また、被相続人が認知症などで判断能力が無くなっていると、手続きをとることができないので、早めに専門家に相談をして対応することをお勧めします。

 

 

Authense法律事務所

堅田 勇気

 

 

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