(※写真はイメージです/PIXTA)

稼いでも稼いでも、少しも会社にお金が残らない。バリバリと働き、いかにもやり手の経営者なのに、なかなか目に見える成果が上がらないのは、明らかな原因があるはずなのです。よくあるケースについて、中小企業をサポートする公認会計士が平易に解説します。

個人の楽しみのために会社のお金を使うのは、絶対NG

最後に、中小企業で特に手を付けたい固定費が、接待交際費です。

 

設備投資や広告宣伝費は、事業のためにだけ使う費用ですから、「無駄なものは支払わない」という意識になるのが普通です。

 

しかし、接待交際費は、社長自身の楽しみや不安などの感情と結びついているので、削減しにくいのです。例えば、取引先との飲食や、ゴルフが好きな社長なら、こうした費用を減らすのは嫌だと思います。たとえ業績アップに結びついていなくても、漫然と支払いを続けてしまうのです。

 

しかし、そのように社長個人の楽しみのために会社のお金を使うのは、絶対に慎むべきです。

 

私が関わっている社長のなかにも、ゴルフや飲食が好きな方は多く、それ自体は問題ではありません。ただ、うまくいっている会社の社長は、飲食代やゴルフ代などを自分のポケットマネーから支払っているのです。

 

接待交際費として会社から支払うことは、法律上は問題ありません。税金計算上も、基本的には損金として認められます。

 

しかし、うまくいっている会社の社長は、会計への意識が強いため、「会社の財布」と「個人の財布」をきっちり分けて考えます。ですから、個人の楽しみのために会社のお金から支出するのがしっくりこないのです。

 

あらためて強調しますが、固定費は、限界利益の範囲内で支払うべきものです。

 

限界利益は家計でいう可処分所得ですから、可処分所得を超えた支払いがあると、たちまち赤字に陥ってしまいます。

 

変動損益計算書に載っている固定費は、社長の「管理者」としての成績表と考え、うまくコントロールすることが大切です。

 

 

小形 剛央
税理士法人小形会計事務所 所長
株式会社サウンドパートナーズ 代表
税理士・公認会計士

 

 

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本記事は『たった3か月で売上高倍増!これだけは知っておくべき社長の会計学』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

たった3か月で売上高倍増!これだけは知っておくべき社長の会計学

たった3か月で売上高倍増!これだけは知っておくべき社長の会計学

小形 剛央

幻冬舎MC

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