写真:PIXTA

ロシアのウクライナ侵攻に関する新しいニュースに世界市場。フィリピン総合株価指数PSEIは3月9日終値で、7,000の大台を割り込み6989.99となりました。このような状況下でもフィリピンでは堅調に推移する業界・企業があります。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏によるレポートです。

フィリピン・不動産セクター、経済回復の波にのる

不動産セクターも強い回復を見せています。フィリピン大手ディベロッパーの一角でフィリピンの著名起業家Andrew Tan氏率いるMEGAWORLD Corp.(MEG)は、不動産販売、オフィス賃貸、ホテル収益の好調により、税引後純利益は、2020年の106億ペソから、2021年には36%増加して144億ペソになりました。

 

「2021年に、私たちはパンデミック管理から成長軌道の再開にギアをシフトし、好業績を達成しました」とタン氏は話しています。

 

2021年売上は、前年の435億ペソから17%増加して508億ペソとなり、第4四半期については、101億ペソから37%増加して139億ペソになり、コロナからの回復が本格化していることを示しています。第四四半期の純利益は、前年の24.7億ペソから52.4億ペソと二倍以上の増益になりました。

 

オフィス部門は、約236,000平方メートル(sq.m.)の新規および契約更新取引を完了し、過去最高の111億ペソの賃貸収入を記録しました。オフィス稼働率は90%で、業界平均の81-84%を上回りました。同社のオフィスポートフォリオが、PEZA認定のBPOビルであることが強みです。

 

一方、ショッピングモール部門は、パンデミックの行動制限により、前年より10%減少の23億ペソの賃貸収入を記録しました。

 

不動産販売部門は、建設活動が活発化したため、2020年の249億ペソから、25%増加して311億ペソになりました。税引後純利益は、2020年の106億ペソから、2021年には36%増加して144億ペソになりました。今後の売上の指標となる予約販売は、17%増の800億ペソに達しています。住宅用、商業用ともに土地に対する大きな需要があると同社は述べています。

 

2021年に、タウンシップ開発は11の住宅および商業用地プロジェクトを立ち上げ、総売上高は280億ペソでした。エリアは、カビテ、ブラカン、パラワン、 タギッグ市のマッキンリーウェスト、ラスピニャス市のアラバンウェストなど広範囲に渡ります。

 

ホテル事業の売上は2020年の15億ペソから19億ペソに30%増益となりました。2021年第2四半期にマニラのベイエリアにキングスフォードホテルがオープンしたことによるものです。

 

2021年、メガワールドは不動産投資信託(REIT)会社であるMREITを立ち上げ、10月1日にIPOを果たしました。MEGが保有する資産の一部をMREITに注入することにより、投資回収を早め新規投資を活性化できるメリットがあります。MREITの賃貸可能面積は当初の224,000平方メートルから280,000平方メートルまで拡大しました。

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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