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遺産相続では、相続人同士で話し合って誰がどの遺産を受け取るかを決めます。しかし、話し合いがまとまらず、家庭裁判所に持ち込まれるケースも少なくありません。家庭裁判所で行う「遺産分割調停」「遺産分割審判」についてみていきましょう。

遺産分割調停がまとまらなければ遺産分割審判へ

遺産分割調停による合意が難しいときは、調停は不成立となり遺産分割審判に移行します。調停の申し立てを取り下げることもできますが、改めて遺産分割協議や調停をしなければなりません。また、家庭裁判所が「調停に代わる審判」をすることもあります。

遺産分割審判の決着までの期間や回数は?

遺産分割審判では、裁判官が申立人と相手方の双方の事情を聞いたり、証拠を調べたりしたうえで、遺産分割の方法について審判を言い渡します。調停とは異なり弁護士だけが出席すればよく、本人の出席は求められません。

 

遺産分割調停で申立人と相手方が主張や証拠を出しつくしている場合は短期間で終わる傾向があり、1回あたりの時間も30分以内と、調停に比べると短くなります。

 

審判が確定すると審判書が送られてきます。審判の内容に納得できない場合は、2週間以内に高等裁判所に即時抗告をすることができます。

 

審判書には判決と同様の効力があり、改めて遺産分割協議書を作成したり、印鑑証明書などを用意したりする必要はありません。また、審判に従わない人がいれば、強制執行をすることもできます。

 

遺産分割審判が決着するまでの期間は7割近くのケースで1年以上かかり、3年を超えることもあります。審理の回数は平均すると約10回、多い場合では21回以上行われます(これらの期間と回数は、すべて遺産分割調停から通算したものです)。

遺産分割調停は弁護士に依頼を

遺産分割はできるだけ相続人同士で話をまとめるのが理想ですが、遺産分割協議がまとまらなければ、家庭裁判所での遺産分割調停で解決を図ります。調停で解決するまでには平均して1年弱の期間がかかります。遺産分割調停で解決ができなければ、遺産分割審判に持ち込まれます。調停と審判を合わせると、長い場合で3年以上の期間がかかります。

 

遺産分割審判に持ち込まれると、結局は法定相続分で遺産分割することが多く、長期にわたって話し合っても得られる財産はさほど増えない場合もあります。家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てるときは、こうした事情も考慮しましょう。

 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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