入学早々「落ちこぼれる」可能性も…新・学習指導要領「驚愕の厳しさ」【塾講師が解説】

入学早々「落ちこぼれる」可能性も…新・学習指導要領「驚愕の厳しさ」【塾講師が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「学習指導要領」とは、小学校、中学校、高校の学校種別ごとに教科の目標や大まかな学習内容を示したものです。時代の変化に合わせて約10年ごとに改訂されてきましたが、2021年度に導入された中学校の新・学習指導要領はかつてないほどの大改訂で、急に成績が下がった生徒も続出する事態に…。高校の学習指導要領の改訂が迫る今、中学校で起こった変化から、学校教育の最新事情を見ていきましょう。

全教科が「思考力や読解力が問われる内容」に変化

中学校の英語を例に挙げましたが、ほかの4教科の教科書も、新・学習指導要領に対応して大きな改訂が行われています。教科ごとに、簡単に教科書改訂のポイントを挙げておきます。

 

●国語

「情報の扱い方」という単元が新設されています。原因と結果、意見と根拠といった情報の関係性や、情報の整理の仕方について学びます。情報化社会で信頼のおける情報を見分け、読み解き、自ら発信する力を育成するのが目的です。また抽象的な言葉を含む幅広い語彙の獲得や、文章の読解、論理的な解釈にも力が注がれています。

 

●数学

「日常生活や社会の事象を数理的に捉え、数学的に処理し、問題を解決することができる」力を養成するため、身近な生活と数学を結び付けた問題形式が多く採用されています。結果、問題文を正確に読み解かないと、解にたどり着けない問題が増えています。ほかに「データの活用(旧:資料の活用)」として、従来は高校で学ぶ範囲であった「累積度数」を中1で、「四分位範囲」「箱ひげ図」を中2で習うようになっています。

 

●理科

エネルギー、粒子、生命、地球という理科の4領域共通で、比較、関係付け、関連性や規則性、因果関係などを考えさせる内容になっています。長い会話文を読んでから解くような、思考力系の問題も盛り込まれています。新項目として「自然災害」が加わったほか、中3化学では「ダニエル電池」が追加されています。また「化学式(旧:イオン式)」「顕性・潜性(旧:優性・劣性)」といった用語の変化も注意が必要です。

 

●社会

地理的分野の授業時間数が5時間減り、歴史的分野が5時間増えています。これは世界史観点から多角的・多面的に日本の歴史を知るため、そして高校の学習内容との接続のためです。中1で学ぶ「時差の計算」は、数学の正負の計算と関連付けられています(教科等横断的な学習)。公民では18歳からの選挙に向けた主権者教育や、電子マネーなどの消費者教育が重視され、地理・歴史・公民ともにSDGsについての記述が加わっています。

 

 

大坪 智幸

株式会社花咲スクール 代表取締役、本部校教室長

 

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※本連載は、大坪智幸氏の著書『デタラメ受験戦争 失われた「学びの本質」』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

デタラメ受験戦争 失われた「学びの本質」

デタラメ受験戦争 失われた「学びの本質」

大坪 智幸

幻冬舎メディアコンサルティング

知育と徳育の両面から指導すれば、子ども一人ひとりの生きる力を引き出せる。 「塾屋」が提言する学びの本質とは? 学習塾を経営し自ら教壇に立って指導をする著者は、現在の受験本位の教育は本当の意味で子どものために…

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