種の壁を超えて感染したコロナウイルスがやはり危険
もともと他の動物を宿主としていたウイルスが、種の壁を超えて人間に感染するようになると重篤な症状を引き起こすことは、これまでも話してきました(『パンデミックの恐怖…森林破壊が「新たなウイルス」の出現を引き起こすワケ』参照)。それはコロナウイルスでもやはり同じです。
SARSはもともと、キクガシラコウモリを自然宿主としていたウイルスが、中間宿主であるハクビシンに感染し、さらに人間に感染したという経路をたどったと考えられています。鼻部が菊の花を想像させることから「きくがしら(菊頭)」という名がつけられたこのコウモリは、日本、ユーラシア大陸、イギリス、モロッコにまで広く分布しています。またMERSは、自然宿主のコウモリから中間宿主のヒトコブラクダを介して人間に感染するようになったと推定されています。
そして新型コロナウイルスは、おそらくコウモリが自然宿主であり、何らかの中間宿主を介して人間に感染するようになったと考えられています。しかし現時点では、新型コロナウイルスの起源は不明のままです。
川口 寧
東京大学医科学研究所 感染症国際研究センター長
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