経済は「ロシアのひとり負け」に
他方、ロシアにエネルギーを依存している欧州も返り血を浴びることになるが、ガス・原油価格の上昇の悪影響は限られよう。第三次石油ショックのような惨事は考えにくい。米国でのシェールガス・オイルの増産、カタール、アルジェリアへの転換も可能である。
米欧では最大で1%程度のCPI上昇があり得るとしても、リセッションに陥るほどのことにはならないだろう。経済はロシアのひとり負けになるのではないか。
このままではロシアは発展途上貧国に凋落へ
となると、株式市場への悪影響は限定的になるだろう。むしろ金融引き締め圧力が弱まること、ドイツの政策大旋回にみられるように、世界の民主主義国家団結が強まり投資心理に好影響が期待できる。
そのなかで、産業基盤が弱体化し、資源依存の新興国型の経済構造に陥っているロシアは一段と困難が進行する。ロシアの経済プレゼンスの凋落は必至で、いずれエネルギーにのみ依存する開発途上貧国に転落するかもしれない。
武者 陵司
株式会社武者リサーチ
代表
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