(※写真はイメージです/PIXTA)

今年も2月25日から、国立大学の前期日程試験が実施されました。3月となり、次はついに自分たちだ、と来年に向け気合を入れる高校二年生・既に浪人を決め前を見ている受験生の姿が見られます。ここでは私立医学部受験の「番狂わせ」、そして医学部受験や浪人への「向き不向き」について、医学部受験専門予備校メディカ代表の亀井孝祥氏が解説していきます。

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    たとえば大手予備校の模試で、とある私立大学のA判定を獲得したとします。「これなら問題ないや」と考え、私立対策をひとまず先送りにし、1月の「共通テスト」対策を重点的に行ったらどうなるでしょうか。 

      

    共通テストはご存じの通り、センター試験の時代から出題傾向が大幅に変更されています。本試験と追試験の過去問を10年分、20年分解けば対応できた時代は終わったのです。

     

    数学は数Ⅲもなく、他の教科も一つ一つの問題は大変基礎的なレベルで構成されているとはいえ、前年度と比べ多くの教科で平均点を大幅に下げました。

     

    「過去の傾向に沿って、基礎的な内容をまんべんなく短い時間で解く練習」ばかりをしていたからです。(個人的にはあの内容であれば、もっと試験時間を長く取り、じっくりと解くタイプの子も拾ってあげればいいのに、と思うのですが。)

     

    共通テスト対策に時間をかけすぎると、その直後から怒涛のごとく始まる私立医学部の試験で、クセのある問題に対応しきれなくなる可能性があります。 

      

    いわゆる「共通テストボケ」です。私立医学部は「本学を第一志望とする人」に来て欲しいわけですから、共通テストボケが起きている直後に、ややクセのある難し目の試験を行えば、合格しても入学するかどうかわからない国公立第一志望の人の一定数をふるいにかけることができます。

     

    実際、今年度の入試でいえば愛知医科大学は共通テスト2日後から試験を始めました。愛知県には10年以上国公立医学部の合格者数が日本一の東海高校があります。3日後からは国際医療福祉大学の入試が始まりましたが、ここは私立医学部のなかでは6年間の総学費が一番安い大学です。

     

    どちらにも例年、国公立第一志望の受験者が集まっていると予想されますが、対応するのはなかなか難しいでしょう。

     

    私立医学部は学科試験のあと、合格者に面接試験を課していますので、共通テストが終わって直後に日程を組まないと、その後の審査に影響がでるというのも理由の一つといえます。

     

    反対に、3〜4週間以上あとに試験を行う大学もあります。併願をしても構わないが、それでも自分の大学を選んでくれた人に入学して欲しいということでしょうか。入試日程を眺めると、そこから大学のメッセージが読み取れます。 

     

    共通テストのための勉強も大切ではありますが、様々な大学の思惑に巻き込まれないためにも、志望校への対策には早め早めに取りかかっておくべきです。 

    次ページ裏を返せば…

    本記事は、医学部受験サクセスガイド『集中メディカ』ホームページのコラムを抜粋、一部改変したものです。

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