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■まとめ
GDP統計の個人消費は2021年10~12月期にコロナ前(2019年10~12月期)の水準をわずかに上回ったが、直近のピーク(2019年7~9月期)と比べれば▲3.5%も低い。個人消費はコロナ前から長期にわたり低迷が続いており、その主因は可処分所得の伸び悩みと考えられる。
現在は、行動制限に伴う貯蓄率の急上昇が消費低迷の主因となっているため、貯蓄率を平常時の水準に戻すことを優先すべきである。ウイズコロナを前提とし、柔軟な医療提供体制の整備などの政策対応を進めることによって、感染拡大時でも経済活動の制限を最小限にとどめることができれば、個人消費の急回復が期待できるだろう。
コロナ禍から脱した後は、可処分所得の動向が個人消費を左右することになる。アベノミクス景気以降、労働需給や企業収益など賃上げを巡る環境は良好な状態が続いているが、実際の賃上げ率はベースアップでみるとゼロ%台の低水準にとどまっている。
ベースアップが消費者物価上昇率を上回るような賃上げを実現し、可処分所得を着実に増加させることが個人消費の本格回復には不可欠と考えられる。
斎藤 太郎
ニッセイ基礎研究所
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