障がいをもつ後妻の子に財産を多く遺したい…可能?
2.先妻の子、後妻、後妻との子がいる場合
この場合も、遺言がないと法定相続により遺産を分けることになります。
先妻のXとは離婚しているため、Xは相続人にはなりません。しかしXとのあいだの子供A、Bはのちに結婚したYとのあいだの子供Cと平等にあつかわなければならないので、A,B,Cはそれぞれ平等の相続権を有します。
そのため、この場合の法定相続分は、現在の配偶者のYは1/2、A,B,Cは1/2を3等分して1/6ずつの相続権を有することになります。
しかし、生まれつき身体障がいのあるCに、なにかあったときのために充分に財産を与えたいと考えても、遺言がなければ法律通りに分けられてしまい、「実情に合わない相続」が行われてしまうデメリットがあります。
当然A,Bには「遺留分侵害の問題(A,Bには遺留分)」がありますが、実情を踏まえた遺言として、Cに充分な財産が行き渡らせるためには、生前から遺言を作成していく必要があります。
3.内縁の妻がいる場合
このケースで遺言がない場合、「内縁の妻」というのは法律上の妻ではないので相続権がありません。全財産はAの唯一の相続人である兄Cにいってしまいます。
お世話になった内縁の妻に財産をのこしたい場合は、遺言で「全財産を内縁の妻Bに包括遺贈します」と書けば全財産はBのもとにわたり、兄には遺留分減殺請求権はないため1円もわたりません。これは遺言があるかないかによって「雲泥の差」が生じる結果になります。
「遺言があれば内縁の妻に、なければ全額兄のもとに」ということになりますので、こういった実情をお持ちの方はぜひ「遺言の作成」を検討すべきです。
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加陽 麻里布
永田町司法書士事務所
代表司法書士
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