(※写真はイメージです/PIXTA)

「医師」として働くには、膨大な知識を蓄え、数多くの研修や試験を受ける必要があります。その最終関門となる医師国家試験について、高座渋谷クリニックの武井先生は「ある部分が欠如している人は、近年国家試験に繰り返し不合格になっている」といいます。医師国家試験に実際に出題された問題をもとに「いま求められている医師像」をみていきましょう。

「コミュニケーションや社会性」を重視する問題が増加

医師国家試験において、近年の傾向としては医学的知識の細かい内容よりも、上記2問のような患者の心情やコミュニケーションを問う問題、同じ病気でも重症度・背景が異なり治療方針や説明する方法を柔軟に変更する必要のある「状況設定への適切な対応」を目的とした問題が増加しています。

 

これまでは細かい知識を問う問題ばかりでしたが、一般常識問題・医学における歴史、英語の問題なども出題され、ある意味「コミュニケーションや社会性に問題がある学生には医師免許を与えない」といった方向に厚生労働省は舵を切るようになりました。

 

今年は話題となっている新型コロナウイルス重症肺炎、クローズアップされている発達障害についても出題されました。最近では、知識偏重で知識を有機的に使えず応用が利かない、一般知識に欠如する社会性が乏しい方は、たとえ東京大学など一流大学の出身でも、国家試験に繰り返し不合格となっています。

これまで「知識偏重」だった日本の医療

皆様が医療機関を受診された際、医師・看護師・医療事務の方の接遇・態度に不満はありませんでしたか?また、疾患のことはもちろん、他の悩みや家族の事なども相談しようと思いましたか?

 

これまでの日本では、「専門医育成」を重視する向きが大学病院を中心に強く、専門の臓器や疾患に対しては深い知識と技量がありました。内科でも消化器内科、腎臓内科、呼吸器内科といったように細分化され、専門外来等の設置が進む一方で、「自分の関連する疾患以外は診療ができない・しない」という医師も多くいました。

 

この現状では

 

・毎回体調不良になるごとに、その症状を診てもらえるクリニックが異なり探し回る
・初診が多いため、過去の病歴や飲んでいる薬を毎回伝えるのが大変である。同じ疾患なのに医師の専門性によって診断方針が違いすぎる
・医療スタッフの接遇に不満を感じる
・検査が多く医療費が高くつく
・自分の気持ちや家族の気持ちがわかってもらえない


といった患者の不満・問題点があったのも事実です。

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』掲載の記事を転載したものです。