経営が難しいことは言うまでもありませんが、簡単にできることもあります。その一つが、経営の考え方を「資金繰り経営」に変えることです。ここでは資金繰り経営をレベルアップさせるポイントとして、「管理会計」について見ていきましょう。経営者は「数字」に詳しく、明るく、シビアでなくてはなりません。会社を存続させるために、経営者は管理会計のどこに注目すれば良いのでしょうか? 資金繰り専門税理士の菅原由一氏が解説します。
「今の現金残高」を知っておく
資金繰りの視点で言うと、経営者が把握しておかなければならない数字がもう一つある。それは、手持ちの現金の額。つまり「今、手元にいくらあるか」。
経営者は誰もが売上や利益目標を立てる。しかし、保有する現金の金額目標を立てている人はほとんどいない。会社が生き残るか倒産するかの分かれ道は、売上でもなく利益でもなく、現金が回るか回らないかである。
そのため、経営の安定と持続的な会社の成長を目指すのであれば、いくら稼ぐか(売上、利益)のみならず、いくら現金を持つかを考え、目標として意識することが重要。
ちなみに私はスマホでいつでも預金残高を確認できるようにしている。
先月より預金は増えているのか、減っているのか確認し、気になる増減があれば、すぐに原因を解明するようにしている。
菅原 由一
SMGグループ CEO
SMG菅原経営株式会社 代表取締役
SMG税理士事務所 代表税理士
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SMG税理士事務所 代表税理士
1975年三重県生まれ。高校生の頃はクラスで成績最下位、かろうじて入学した専門学校をドロップアウトするなど、落ちこぼれの青春時代を過ごす。その後、記帳や申告業務を淡々とこなす従来の税理士像を覆し、「真の意味で中小企業の経営をサポートする税理士になる」と、決意を新たにする。人よりも3倍の勉強量で税理士試験に打ち込み、20代で税理士資格を取得。
現在は、東京・名古屋・大阪・三重に拠点を置き、中小企業の財務コンサルタントとして活躍。銀行が絶賛する独自資料の作成で赤字会社も含め融資実行率は95%以上。顧問先の黒字企業割合は85%を実現し、全国平均30%を圧倒的に凌ぐ。これまでに全国各地で1,000本以上の講演やセミナー講師を務め、1万名超の経営者が受講し、大手企業からの講演依頼が絶えない。
YouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』は開設わずか1年で登録者数38万人を突破し、TV、専門誌、新聞、各メディアで取り上げられ注目を集めている。「努力と結果は比例する!」を座右の銘として、YouTube、ブログ、SNSで経営のノウハウを毎日配信している。好きな食べものは天津飯。
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