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東京都心部Aクラスビル市場の見通し
Aクラスビルの新規供給見通し
三幸エステートの調査によれば、2022年の東京都心部での新規供給量は約6万坪となり、新規供給が多かった2020年(約20万坪)の約1/3に留まる見通しである。
しかし、2023年は、港区虎ノ門地区で大規模ビルの竣工が複数棟予定されており、新規供給は再び約19万坪に達する。2024年は一旦落ち着くものの、2025年は品川駅周辺等で大規模開発が予定されており、新規供給量は約27万坪と、過去最高を上回る見通しである[図表17]。
Aクラスビルの空室率および成約賃料の見通し
新型コロナウィルスの感染拡大後も、人手不足の状況が継続している。また、オフィスワーカーの比率の高い産業では就業者の増加も確認できており、東京都心部の「オフィスワーカー数」が大幅に減少する懸念は小さい。
また、「Well-being」など従業員にとって快適なオフィス環境を整備する取組みが継続するなか、「1席あたりオフィス面積」が大幅に縮小する懸念は小さい。
一方、「在宅勤務」を中心とする勤務形態を導入する企業は増えており、オフィス出社率がコロナ禍以前の水準に戻る可能性は低い。また、「フリーアドレス」の導入が広がるなか、余裕のある座席数を確保する企業は減少すると考えられる。以上を鑑みると、今後のオフィス需要(オフィス利用面積)は力強さを欠くと見込む。
そのため、今後5年間の空室率は上昇基調が継続すると予想する。特に、2023年と2025年は大量供給の影響を受けて空室率が上昇し、2026年には約6%となる見通しである[図表18]。
また、東京都心部Aクラスビルの成約賃料(2021 年=100)は、2022 年に「99」、2023年に「97」、2026 年に「94」と、緩やかな下落を見込む[図表19]。
ただし、ピーク(2019年末)対比では▲32%下落するものの、2013年の賃料水準を上回る見通しである。
吉田 資
ニッセイ基礎研究所
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