GDP「世界第3位」だが「国際的にも際立つ低生産性」…日本経済の「極めて異質」な特徴 (※写真はイメージです/PIXTA)

IMFによると、日本の「国全体のGDP」は世界第三位(2020年12月時点)です。2010年頃に中国に抜かれて第二位の座を失ったとはいえ、依然として経済大国であることに変わりはありません。実際、相変わらず日本が裕福な国だと考えている日本人もまだまだ多いのではないでしょうか。ただ、残念ながら世界からはそのように見られていません。日本企業の生産性や競争力の実力から、日本経済の実情を見ていきましょう。税理士の三反田純一郎氏が解説します。

「中小企業が日本経済を牽引している」は本当か?

日本は中小企業大国と言われています。現に「日本経済の底力は下町の町工場に象徴される中小零細企業にあり、このことこそが日本の資本主義の特徴である」という考え方をしている日本人はずいぶん多いように感じます。

 

特にメディアがお決まりと言ってよいほど、そういった風潮でテレビのニュースやドラマで放映するので、国民全体にそのイメージが刷り込まれているのではないでしょうか。

 

本来、中小企業大国とは、クラフトマンシップのような守るべき技術を脈々と後世に継承するようなモノづくりを行っている中小企業や、大企業では手の届かない地域経済の課題解決を実現するために高いモチベーションで働く経営者がいる活気ある中小企業などが存在する国のことです。

 

こうした企業は、その成り立ちの性格上、革新性はもちろん生産性の点で周りの平均的な企業よりも優れているため、そういった企業が増えていくと、生産性の低い企業の悪影響が希薄化され国全体の生産性が高まります。

 

ただ創業間もない企業は、その規模の小ささから、経営の安定性は当然欠けます。したがって、そうした企業が高い生産性や革新性を維持したまま、あるべき規模へと成長していくためには何らかの支援が必要となる場合があります。そのため日本をはじめとした世界の多くの国で用意されているのが中小企業優遇政策や保護政策というものです。

 

日本でもかつては、ソニーやホンダのように地域の中小企業から世界的な企業に成長する例が相次ぎ、そうした企業が実際に国全体の生産性や成長性を牽引しました。当時は、日本企業全体の優秀さや革新性は世界に誇れるものであり、日本の人口も右肩上がりで増加して、日本経済そのものが高度経済成長期の真っただ中にありました。

 

そこからずいぶん時が経ち、人口減少時代にさしかかった現在でも、日本経済はかつての成功体験のイメージを引きずって、多くの日本の中小企業がいまだに生産性や革新性を持てていると過信しているように見えます。果たして実際のところはどうなのでしょう?

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    株式会社M&Tファミリーオフィスサービス 代表 税理士
    宅地建物取引士

    1973年兵庫県生まれ。

    早稲田大学商学部卒業。大手石油会社に入社し、GS(ガソリンスタンド)の戦略的不動産開発や経営企画に従事した後、税理士法人M&Tを設立し一部上場企業へのコンサルティング業務や、中堅中小企業に対する経営戦略の立案、M&A、組織再編支援など幅広いアドバイザリー業務に従事。自らも行っている資産運用における投資対象は収益不動産にとどまらず太陽光発電や京都町屋と多岐にわたり、現在年間収入は1億円を超える。

    2015年にそれまでの資産形成や事業継承の経験を活かすべく、株式会社M&Tファミリーオフィスサービスを設立し、経営者に寄り添いながら、より専門的かつ総合的に企業磨きや事業承継を通じウェルスマネジメント支援を行い、海外を範としたファミリーオフィスサービスを日本に普及する活動にも尽力している。

    著者紹介

    連載「会社の資産形成」成功の法則

    ※本連載は、三反田純一郎氏の著書『会社の資産形成 成功の法則―「見えない」資産を築く最強の戦略』(中央経済社)から一部を抜粋し、再編集したものです。

    会社の資産形成 成功の法則―「見えない」資産を築く最強の戦略

    会社の資産形成 成功の法則―「見えない」資産を築く最強の戦略

    三反田 純一郎

    中央経済社

    どのような資産を、どのような理由で、どれくらい所有するか? 資産形成の優劣が会社の生死を決める。 保険は投資対象から外す、少額でも投資信託の積立投資は行う、銀行の経営者保証の解除は何としても勝ち取る etc。会…

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