(※画像はイメージです/PIXTA)

「グループホームを建てて運営事業者に貸す」ビジネスを展開する企業が、蓄積したノウハウを活用し、自ら障がい者福祉施設の開設実現を目指すことになりました。具体的なノウハウと、現場で展開された実際の交渉を見ていきます。

将来的な「自由度」「選択肢の幅」を確保しておく

障がい者グループホームの設立にあたり、付き合いのある行政書士の方に手伝ってもらって、法人を設立しました。

 

会社の名前と住所、事業目的、資本金、発起人、払込銀行、代表者、決算日と設立予定日などを書類に記入し、法務局で登記します。

 

グループホームを設立するには、事業目的のところに「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」と入れなければなりません。

 

[図表]履歴事項全部証明書

 

雇用契約に基づく就労をする、就労継続支援A型事業所(前回の記事を参照)は、福祉専業の事業所でないと行うことができません。福祉専業の新会社を設立したのは、弊社が将来的にA型事業所をやるかどうかは分かりませんが、やりたくなったときにやれるようにしておくためというのもありますし、事業売却のときにA型事業所をやれるようにしておくほうが売却しやすいというのもあります。

 

ちなみに障がい者グループホームの運営をするためだけであれば、会社の定款に先ほどの文言(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業)を入れるだけで大丈夫です。

 

しかし、それでも法人を設立することをお勧めします。行政書士に頼むコストはかかりますが、トータル的に見てそれ以外のデメリットはないからです。

 

100%出資の子会社にすれば、人やお金の貸し借りに問題が生じず、そこに税金もかかってきません。社会保険も親会社と一括で加入できます。

 

ちなみに会社名は「CH-5」といいます。これは障がいのある方たちの「CHANCE:機会、CHOICE:選択、CHALLENGE:挑戦、CHAIN:つながり、CHANGE:変化」の「5つのCH」を支援したいという思いから名付けたものです。

図面作成と見積もり

2021年の年明けから、会社の登記とともに図面の作成も進めていました。建設会社なので、図面は社内の設計部門に依頼しました。3月15日に会社の登記をするのと同時に図面が出来上がってきたので、見積もりを出す段階に入りました。

 

今回は敷地に2棟建設するということで、男性棟と女性棟をそれぞれ設計しました。建設会社としてモデルハウス的な使い方もしたいので、いままでの提案図面のなかから、オペレーションの違う2つのタイプの間取りを基にして図面を作成しました。

 

岩崎 弥一
アルカスコーポレーション株式会社 代表取締役
南砺市商工会 副会長

 

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