(※写真はイメージです/PIXTA)

富裕層向けの仕組債として一般的な「EB債(Exchangeable Bond:交換可能な債券)」で対象銘柄とされることも多い米国ハイテク株が、昨年2月をピークに大幅に調整しています。米国金利上昇、コロナ強気相場の巻き戻し、中国情勢、足元では、ロシアのウクライナ侵攻など、さまざまな要因で株価が調整し、先行き不透明感が増しています。こうしたなか、レオンテック証券株式会社の代表取締役である久保智氏が、EB債の特徴と銘柄選定の際のポイントを解説します。

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クーポン(利率)と利率決定価格の考え方

EB債には3段階の場合分けのクーポンも一部存在するが、主流は固定クーポンとデジタルクーポン(事例の3ヵ月以降のクーポン)である。

 

デジタルクーポンとは、対象銘柄の株価・価格が、各利率決定日にあらかじめ定められた水準(利率決定価格)以上となったか、未満となったかによって決定される利率のことをいう。各利率決定日に、対象銘柄の株価・価格が利率決定価格以上の場合には高い方の利率が適用され、利率決定価格を下回った場合には低い方の利率が適用される。

 

もちろん、想定以上に下落する相場でのデジタルクーポンは、利率も当初の予定通り確保できないことになる。デジタルクーポンの低い利率を上げたり、固定クーポンと比較することも検討されたい。

 

固定クーポンの場合は1〜10%が主流で、デジタルクーポンの場合は、高クーポンのレンジ3〜30%が、低クーポンのレンジは0.1〜1%程度が多い。デジタルクーポンの場合の利率決定価格は当初価格の50〜85%が多い。

 

一般的には利率を上げると元本棄損の確率は高まる。また、仕組債のなかでは相対的に低い利率であっても、元本棄損の確率はゼロにはならない。

 

EB債例のデジタルクーポンを含む利率(当初3ヵ月間は固定利率24%、以降9ヵ月間24%または0.10%)を通期固定利率に変換すると、対象株式や前提条件によって異なるが、13~15%に変換することが可能だ。

 

なお、利率は年率表示のため、EB債例の初回3ヵ月分の24%は税引き前で6%の受け取りとなる。

 

※早期償還された場合、以降の利払いはない。
[図表5]EB債例の利率を固定利率化したイラスト図 ※早期償還された場合、以降の利払いはない。

外貨建てEB債も活用して「グローバルな視点」を

EB債は円建てのものが多いが、通貨分散をはかる目的も考慮すると、米ドル建てなどの外貨建ても選択肢に入る。特に富裕層の場合は、仮に円建てで資産が増加しても、基軸通貨建てで減少すれば、グローバルな視点で富が減少したと考えることもできる。

 

長期分散積立投資を基本としつつ、仕組債を検討される場合は、さまざまな選択肢を検討した上で、自己責任でご判断されたい。

 

 

久保智

レオンテック証券

代表取締役社長

 

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