(写真はイメージです/PIXTA)

被相続人と同居をしていた家族などが、勝手に被相続人の財産を使ってしまう「相続財産の使い込み」。証拠がない場合、使い込んだ人が認めない限り、相続財産を取り戻すのは難しくなってしまうのですが、それでも対処できるケースも存在します。本記事では、Authense法律事務所の堅田勇気弁護士が、「相続放棄の使い込み」に関して、対処法や予防策を紹介します。

使い込まれた相続財産を取り戻せないケース

相続財産を使い込まれた可能性が高い場合であっても、次の場合には取り戻すことは困難だといえます。

 

使い込みの証拠がない場合

一部の相続人が相続財産を使い込んだとして返還等を主張するには、使い込みについての証拠が必要です。返還請求等の裁判をしても、使い込みの証拠がなければ主張は認められないため、請求の前に証拠を集めておく必要があります。

 

使い込みを立証するには、被相続人の口座の取引履歴のみではなく、状況に応じて被相続人の生前の医療記録や介護記録などさまざまな資料が必要です。必要資料の検討や資料の入手を個人で行うことは容易ではないため、弁護士へ相談することをおすすめします。

 

時効が成立している場合

不当利得返還請求にも不法行為に基づく損害賠償請求にも、先ほど解説した通り時効が設定されています。

 

実際に使い込みをしていたとしても、その時点から10年(不法行為に基づく損害賠償請求ができる場合あれば20年)以上が経過している場合には、もはや取り戻すことはできません。

 

この場合、解説した遺留分侵害額請求など他の方法を検討することとなります。

 

相手が資産を持っていない場合

訴訟により使い込みが認定されたとしても、相手方が一切資産を持っていないのであれば、使い込まれた相続財産を取り戻すことは現実的に困難です。使い込みをした人が無資力となる懸念がある場合には、より早急に弁護士へ相談しましょう。

 

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