(※写真はイメージです/PIXTA)

「活性酸素は身体に悪い」という話は広く知られていますが、活性酸素がどのようにできるのかまで知っている人は少ないのではないでしょうか。今回は、がんや心血管疾患、脳血管性疾患といった慢性疾患の大きな要因となりうる活性酸素がどのような仕組みで発生するのか、身体にどのような作用を起こすのかを見ていきましょう。※本連載は、小西統合医療内科院長・小西康弘医師による書下ろしです。

「善玉の活性酸素」でも過剰に蓄積されれば万病のもと

4種類の活性酸素について見てきましたが、つまりは私たちの身体にある抗酸化作用のある酵素で対応できるものと、外来性の抗酸化ビタミンや抗酸化物質を摂らないと中和できないものがあるということです。

 

スーパーオキサイドや過酸化水素は、私たちの身体の中に中和する酵素を持っています。また、外から侵入した病原菌を殺菌する上でも重要な役割を果たしていて、私たちが生きていく上で必要な活性酸素だということができます。善玉の活性酸素と表現する人もいます。しかしこれらはSODの作用やフェントン反応によって、一番凶悪なヒドロキシラジカルに変化するため、過剰に蓄積しないようにすることが大切です。

 

ヒドロキシラジカルは一番悪性度が高く、さまざまな慢性疾患の原因になります。

 

「悪玉の活性酸素」と表現される場合があります。さらに、私たちの身体には中和する酵素が存在しないため、外来性の抗酸化ビタミンや抗酸化物質を摂らないと中和できません。つまり活性酸素の中でもヒドロキシラジカルをいかにコントロールするかということが、慢性疾患予防の鍵となると言っても良いでしょう。

 

 

今回は、私たちの身体の活性酸素が発生する仕組みについて見てきました。

 

活性酸素が特殊な状態で発生するのではなく、私たちの身体の中でエンジンの働きをするミトコンドリアで、エネルギーが発生するときに必然的にできるものだということには驚かれたのではないでしょうか?

 

そして、このように生理的に発生する活性酸素を消去する力が私たちに備わっているということも見てきました。

 

では、どういう場合に、活性酸素の発生する量と、活性酸素を消去する抗酸化力とのバランスが崩れて、活性酸素が大量に発生するのでしょうか?

 

次回は、身体の中に大量の活性酸素が発生するときの「火元」がどこにあるのか、慢性疾患の原因になる「慢性炎症」がどこから起こってくるのかについて見ていきたいと思います。

 

 

小西 康弘

医療法人全人会 小西統合医療内科 院長

総合内科専門医、医学博士

 

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