自営業夫婦の国民年金、月額13万円だが…いますぐできる「老後資金形成」の具体的な対策 ※写真はイメージです/PIXTA

日本の公的年金制度では、自営業者は国民年金のみの加入となり、夫婦で満額受給しても月額13万円です。一方で、定年がないといったメリットのほか、国も自営業者をサポートするしくみや、自営業者の老後の資産形成を助ける選択肢をいろいろと用意しています。ぜひそれらを最大限活用しましょう。自営業者に役立つ年金対策・資産形成の方法を、経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

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公的年金、自営業者が受け取れるのは1階部分のみ

日本の公的年金は2階建てですが、2階部分が受け取れるのはサラリーマン(男女を問わず、公務員等も含む、年金制度上サラリーマンとみなされるような働き方をしている非正規労働者も含む。以下同様)だけで、自営業者等は1階部分しか受け取れません。

 

日本の公的年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社などに勤務している人が加入する「厚生年金」の2階建てになっています。 出所:厚生労働省HP
公的年金の仕組み 日本の公的年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社などに勤務している人が加入する「厚生年金」の2階建てになっています。
出所:厚生労働省HP

 

毎月の年金受取額は、未納がまったくなくても夫婦2人で13万円ですから、老後の生活費としては足りません。75歳まで年金受け取り開始を待つと毎回の受取額が84%増えますが、それでも年金だけで生活するのは楽ではないでしょうね。

 

したがって、自営業者は老後資金対策をサラリーマン以上にしっかり行う必要があるわけです。

とはいえ、自営業者が有利な点も多い

ただ、自営業者のほうがサラリーマンよりも圧倒的に有利なのは、定年がないので、元気な間はいつまでも現役として収入が得られるということです。サラリーマンは定年後再雇用等で収入が激減する場合が多いのですが、それとは大違いです。

 

平均寿命が伸びているため、老後に必要な資金も増え、サラリーマンにとっては深刻な問題となりかねないわけですが、自営業者は元気な間は現役として稼ぎ続ければ、寿命は伸びても老後は伸びないかもしれません。

 

サザエさんの登場人物である波平氏は54歳という想定です。高度成長期の定年が55歳だったのは、バリバリ働くのが難しい年齢の方にはお引き取りいただく、ということだったのでしょうね。それと比べると、いまは70歳でも波平氏より元気な人が大勢いますので、そういう人は自営業者ならばバリバリ働いて稼げばいいわけです。

 

それ以外にも、iDeCoの拠出限度額が大きいとか小規模企業共済制度が使えるとか、自営業者に有利な制度も数多くあります。公的年金が見劣りする分は自分でしっかり準備するように、という政府の親心が読み取れますね。

①iDeCo…枠の大きさが魅力だが、使い勝手には要注意

iDeCoは掛金が所得控除になったり運用益が非課税になったり、非常にありがたい制度で、ぜひとも活用したいところです。そして、自営業者はサラリーマン等よりも掛金の上限が大きいのです。

 

公的年金の2階部分が受け取れない分だけ自分で老後に備えなさい、ということなのでしょう。夫婦2人で40年間上限まで拠出し続けると6528万円拠出することができますから、庶民には十分ですね(笑)。

 

もっとも、iDeCoは60歳まで引き出せないので、要注意です。60歳まで引き出せないのは、意志が弱い人でも老後資金を貯められるように、という政府の親心なのでしょうが、浮き沈みの激しい自営業者の場合には、「あと100万円あれば倒産を免れたのに」といった目に遭う可能性があるからです。

 

事業内容は安定しているとしても、健康を損なって働けずに収入が得られない期間が続くと、手元資金が底を突いてしまう可能性もあるでしょう。健康を損なってもある程度は雇い主が給料を払い続けてくれるサラリーマンとは違うので、その意味でも慎重に判断しましょう。

 

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経済評論家

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。2022年4月に定年退職し、現在は経済評論家。

著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』(以上、祥伝社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)など多数。

趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

連載老後資金の不安を解消!経済評論家・塚崎公義氏の「資産管理・資産形成術」

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