【老後資金の盤石化計画】「株&外貨」への資産分散で得られるすごいメリット ※写真はイメージです/PIXTA

老後資産の形成のため、日々節約を心がけている方は多いと思います。しかし、せっかく預貯金を積み上げても、インフレが来たら目減りは避けられず、これまでの苦労や節制も水の泡…。そんな悲しい事態を回避するには、株や外貨への資産分散が有効です。元メガバンカーで経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

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株は「インフレリスクに強い資産」の代表格

預金はインフレに弱いリスク資産です。そのため、老後資金は全額を預金で持つのではなく、一部を株式や外貨で持つほうがむしろ安心です。株式や外貨はインフレに強い資産であり、インフレになると値上がりしやすいからです。

 

株価の適正水準を考える材料は、企業の「一株あたり利益(Earnings Per Share:EPS)」と「一株あたり純資産(Book Value Per Share:BPS)」です。一株あたり利益と一株あたり純資産が増えれば、「適正な株価水準」が上がるので、株価も上がる可能性が高いでしょう。

 

株あたり利益(EPS)の計算式

EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数

 

株あたり純資産(BPS)の計算式

BPS = 純資産 ÷ 発行済株式総数


インフレになると、企業の売り上げもコストも増えますが、売り上げからコストを差し引いた利益も増えるのが普通です。株数はインフレによっても変化しないので、一株あたり利益も増え、株価が上昇しやすくなるはずです。

 

業種によってインフレに強い業種と弱い業種があったりするでしょうが、本稿では株式投信を保有することを念頭に、平均株価について論じることとしましょう。

 

インフレになれば、一株あたり純資産の面からも、株価が上がりやすいことがわかります。企業の持っている資産の価値がインフレになると膨らむ一方で、負債はインフレになっても増えないので、一株あたり純資産はインフレ率以上に増えることも珍しくありません。

 

預金者が「預金の目減り」に苦しむ一方、借り手である企業は「負債の目減り」をエンジョイしている、というわけですね(笑)。

 

したがって、利益の面からも純資産の面からも、インフレは株価を上昇させる要因なのです。

インフレ→金融引締めでも、株価への影響が小さいワケ

インフレになると中央銀行が金融を引き締めるでしょう。金融引き締めは株価を押し下げる要因のはずですね。でも、大丈夫です。

 

ひとつには、日本でメインシナリオとして想定されるインフレは「マイルド」なものだからです。毎年2%のインフレが続いても、日銀は金融緩和を続けるでしょうから、株価は毎年2%ずつ上昇していくかもしれません。

 

もうひとつには、仮に激しいインフレで金融引き締めが行われたとしても、金融引き締めは永遠には続かないからです。

 

金融引き締めが行われればインフレは沈静化するので、金融引き締めも終わります。重要なことは、前年比の物価上昇率は低下するけれども物価水準は以前より高い所で安定する、ということです。

 

つまり、一株あたりの利益や純資産は増えたままで、金融政策だけ元に戻るのですから、株価は以前より高い水準となるわけです。老後資金の長期投資を考えるのであれば、一時的に金融引き締めで株価が下がることがあったとしても、狼狽せずにじっと持っていればいい、というだけの話ですね。

 

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経済評論家

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。2022年4月に定年退職し、現在は経済評論家。

著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』『大学の常識は、世間の非常識』(以上、祥伝社)など多数。

趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

連載老後資金の不安を解消!経済評論家・塚崎公義氏の「資産管理・資産形成術」

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