全人代
2022年の注目点としては第一に、3月5日に開幕する予定の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で示される経済運営方針が挙げられる。
成長率目標
コロナショック後の成長率目標を確認しておくと[図表9]、20年にはコロナ禍による不確実性の高さを背景に目標の設定を見送ったが「プラス成長を維持できる」としてマイナスを回避する姿勢を示した。
また、21年には前年にコロナ禍で落ち込んだ反動で高成長が期待できたものの持続可能性が重要だとして「6%以上」と低めに目標を設定した。そして今回は「5.5%前後」あるいは「5%以上」とするとの見方が支配的である。
財政政策
財政政策に関しては、コロナショックに見舞われた20年には「積極的な財政政策はさらに積極的かつ効果的なものにする」として、財政赤字(対GDP比)を「3.6%以上」としたのに加えて、地方特別債を3.75兆元、感染症対策特別国債を1兆元発行するなどコロナ対策を明確に打ち出した。
しかし、コロナ禍が峠を越えた21年には「積極的な財政政策は質・効率の向上を図り、さらに持続可能なものにする」として、財政赤字(対GDP比)を「3.2%前後」に引き下げたのに加えて、地方特別債を3.65兆元に引き下げ、感染症対策特別国債の発行を止めるなどコロナ対策で緩んだ財政規律を引き締めて、持続可能性を高めた[前掲図表9]。
そして、5年に1度の共産党大会を今秋に控える22年は、経済成長の勢いが鈍化してきたことを踏まえて景気重視のスタンスで臨むのか、それとも長期的な視点から財政の持続可能性を高めるスタンスを堅持するのか、注目される。
金融政策
他方、金融政策に関しては、コロナショックに見舞われた20年には「通貨供給量・社会融資総量(企業や個人の資金調達総額)の伸び率が前年度の水準を明らかに上回る」よう促すとして、金融面から景気を支えるスタンスを明確に打ち出した。
しかし、コロナ禍が峠を越えた21年には「通貨供給量・社会融資総量の伸び率が名目GDP成長率とほぼ一致」するよう促すとして、コロナ対策で緩んだ金融政策を中立に戻す方針を示した。そして、政策金利を引き下げ始めた22年は、どんな方針で臨むのか注目される[図表10]。
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